2011年10月23日日曜日

なるほどこれがハセツネか

 「ハセツネには出ないんですか?」と訊かれても「夜走るのがイヤだ」とか「脚にダメージを負ったらマラソンシーズンに響く」などと理由をつけて、いちどもエントリーしていなかった日本山岳耐久レース。実は興味がないふりして、本当は一番気になる存在だった。これまでの雑誌のハセツネ特集は全部熟読したし、昨年まではレース当日の関門・ゴール速報を何度もクリックして、ひとり夜の奥多摩に思いを馳せていた。
さて今年、ハリ天さんからの誘いで5月に出場を決意。急遽、距離への不安解消と夜間走行の体験を目的に7月のおんたけウルトラトレイル100Kにもチャレンジして(まあなかなかたいへんだったが)完走。三度のコース試走を経て、まあハセツネ初挑戦なりに準備は整えた。

で、まず結果から。
11時間54分53秒の199位。大目標の11時間には遠く及ばず。
でももう一つの目標であった「上位10%以内」すなわち200位切りは達成。ギリギリなのがたまらない。途中の関門は250〜60位台だったはずだから、終盤頑張れた。
細かいレポートは後ほど(来年以降に役立つ記録になるからね)。


2011年10月11日火曜日

ハセツネ試走第3弾〜鞘口峠からゴールまで

 今週は夏休み。その1日目はハリ天狗さんにご指導をお願いしてのハセツネ後半の試走。37.5K地点の鞘口峠から71.5Kの五日市会館ゴールまでだから、34kmの長丁場だ。
五日市から都民の森までのバスの中から、豊富なハセツネ経験を有するハリ天さんからいろいろノウハウを聞く。贅沢な個人指導。
さて、鞘口峠から月夜見第2駐車場までの第2区間の残りは大したことがないかと思ったら、けっこうな細かいアップダウン。道も細く入り組んでいて走りにくい。月夜見から御前山までも、下りは滑りそうだし、登りはひたすら長く、かなりきつい。5月のOTK64Kで通った長沢背陵を思わせる「荒廃感」だ。「偽ピーク」と言われる惣岳山を過ぎ、御前山を越えるとほっとする。
大ダワの先からは一昨日一人で試走したコースに合流。大岳山の上り下り以外は走れる区間が続く。
大岳山の岩場もきついと思っていたが、むしろ急すぎるために走りあるいは早歩きで登ることができない。だから御前山よりはむしろ楽。下りも「攻める」のは危険なため、そのため心拍数は120台まで低下するから、休息になる。
大岳山を越えてからむしろ元気になってきた。
一昨日迷ったロックガーデンへの降り口や、御岳の旅館街を抜ける道も、一度わかってしまえば難なく通過。
 金比羅尾根はついハリ天さんの存在を意識してしまって自然とビルドアップとなった。最後の方はキロ5分前半の感じ。レース当日も、60km以上苦しんだ後で、これだけリズム良く走れれば言うことないのだが。

装備や携行食の点では、
・ヘッドライトをおなかにベルトで装着したら「首」が振れてしまってダメだった。ザックに直接取り付けるなり工夫が必要
・マヨネーズ入りのパンは元気が出る
・最初の試走のときのミルクティーもよかったが、今日のカルピスウォーターも乳製品系でとてもよい
・御岳の湧水給水も確認できた
・シューズは多少重くとも厚手で反発感もあるゲルトラブーコの新品でいくのがよさそう
など、だいぶ臨戦態勢が整いつつある感じ。

2011年10月9日日曜日

ハセツネ試走第2弾〜奥多摩駅から五日市まで

 今日は奥多摩駅から南下。鋸尾根から鋸山を越えて大ダワの先からハセツネコースに入り、ゴールまでの区間を試走。ハセツネコースで言うと、50km地点から71.5kmまでということになる。
まず、青梅線の電車が満員すし詰めであることに驚く。ほとんどが山へ出かける人。女性も多い。快晴の秋の3連休だからだが、こんなに多いとは。しかもその過半数が奥多摩駅から鴨沢方面のバス乗り場へ向かっていた。
 さて、試走は比較的快調にすすみ、大岳山までの区間、大岳山の急斜面を降りてから御岳山までの区間とほぼ走れる。後半に余力を残しているのといないのでは大きな差がつきそうだ。
公認マップを片手に進んだが、それでも迷ったのがこの4ヶ所。
①芥場峠から左に逸れてロックガーデンへ降りていくところ
②ロックガーデンの水場手前
③御岳の旅館街を抜けるところ
④日の出山を下りてから金比羅尾根へ入るまで
長い金比羅尾根を抜けて五日市の街並みが眼下に見えたときには、ほっとした。
町中に入ると、突然映像で見覚えのある五日市会館が現れびっくり。ここがゴールか。
明後日が最終試走の予定。

2011年10月7日金曜日

臨床スポーツ医学会は出番3つも〜青森で遊んでいられない

11月5日(土)〜11月7日(月)に青森市で行われる臨床スポーツ医学会。ここ2年ほど演題を出すのをさぼっていたので、反省して今回は女子長距離ランナーの骨粗鬆症に対するホルモン補充療法の意義」として一般演題を提出した。そしたら、急に「女性アスリートに対するメディカルサポート」というシンポジウムの発表者に指名していただき、最後にはポスター発表の女性アスリートのセッションの座長をせよと電話をいただいた。
この学会、当然ながら産婦人科の関与する部分はごく僅か(5%以下)なので、「半月板損傷」だとか「成長期スポーツ障害」などの大半の演題には(申し訳ないことながら)興味がなく、学会場から失礼させていただくわけである。せいぜい、日本体育協会のスポーツ認定医の更新に必要な講習を受けるくらいが(自分の演題以外の)dutyかと考えていたところ、3つも出番を与えられてしまった。
でも土曜日に時間があったら岩木山を走りたいなあ。「山と高原地図 八甲田・岩木山」はもう入手してしまったぞ。

2011年10月3日月曜日

新「名医」の最新治療

「新「名医」の最新治療」2009・2010・2011を3冊集めて、週刊朝日MOOKというやたらと重く大きい辞書みたいな本に合わせただけである。
必然的に2010に掲載された私の部分もそのまま載っている。「スポーツ障害」の項に「ランナー医師」としてペース配分のことや練習のメリハリについて語っただけ。番外編みたいな扱いだ。でも後ろの索引にもちゃんと載せてくれている。
埼玉医大から掲載されているのは6人の著名な教授達だけなのに。申し訳ないことである。

2011年10月2日日曜日

ハセツネ試走第1弾〜浅間峠から鞘口峠まで

 初めてのハセツネ。もちろん試走するのも初めて。むさしのさんから「第1チェックポイント〜第3チェックポイントの試走が特に重要」と教えてもらい、昨日はまず第1チェックポイントの浅間峠から第2手前の鞘口峠までを試走した。
上川乗のバス停を9時02分に出発。16.2K 3時間33分で、都民の森バス停着が12時50分発にちょうど間に合う時間。ロスなく抜群のタイミングだった。なお、高度上昇が1496m。平均心拍数が136、というのがお供したGarmin君の示すデータである。
 で、率直な感想は、思っていたよりも走りやすい。三頭山への登りも、恐れていたほどきつくはない。これなら5月のOTK 64Kの方がアップダウンはきついのでは?まあ、全コースを試走したわけではないので早合点は禁物。
来週には、都民の森以降の試走も計画中。
ちなみに今日のスタイルは、ノースリーブシャツ(asics)にアームガード(2XU)、ショート丈パンツ(asics)、カーフガード(CEP)、スマートウールのトレランソックスにゲルトレイルアタック6。当直明けでそのまま全荷物をmacpacのアンプレース25に詰め込んで走ったので、本番ではもう少し背中が軽くなる予定。ドリンクは1.4㍑のレモンウォーターは半分しか消費せず、500mlミルクティーは案外おいしくて全部飲み干した。このあたりも本番装備の参考になりそう。
バックのチェストベルトに公式コースマップを挟み込んで走るのが、僕のオリジナルスタイル(写真参照)。

2011年10月1日土曜日

高校生女子長距離ランナーの親の悩み

先日、高校生ランナーを娘に持つ父親から相談のメールがあった。

高校生の娘のことでご相談があります。娘は小学校から陸上長距離をやっております。現在は強豪高校で毎日練習に励んでおります。
高校入学してまもなく間違った知識から食事を制限してしまい体重が45㎏から37㎏へ減少してしまいました。生理も止まってしまいました。競技能力も落ちました。
それから1年、食生活に注意し練習や競技を続けてきました。現在では体重も戻り44kgです。ただ、いまだに生理が来ていません。
娘はこれからも競技を続けていきたいのです。生理のことや骨密度のことなど心配になっています。このまま競技を続けて問題ないでしょうか?



(以下、私の返答)
女子駅伝強豪高校でよくみられる問題点ですね。息長く競技生活を続けていくためには、お気づきの通り、無月経・骨密度低下状態ではなかなか難しいです。
特に高校から無月経となるような過剰な練習、体重制限などをしてしまうと、卒業後になかなか伸びないというのが実情のようです。
幸いお嬢さんの場合には、体重が回復したとのことですから、あとは適切なホルモン療法を行いつつ練習量・食事を管理していけば、最悪の状態からは脱することができるのではないかと予想いたします。
体重回復とともにタイムが低下してしまってはいないでしょうか?かえってご本人がストレスを感じていないかというのがもっとも気になります。指導の先生からの「体重を増やしたこと」に対する評価はどうでしょうか。

ご指導いただいている先生から、食事の大切さや体重を増加させるようにご指導いただき、本人の認識がかわり体重が戻りました。
体重が増え始めると同時にタイムのほうもだんだん速くなっていき、今では自己ベストを出すまでになっています。
今までは辛そうでしたが、今ではストレスもないように思います。



体重が増えるとの共に自己ベスト更新とは非常にいい流れですね。
理解のある指導者でよかったと思います。


本人の身長や骨密度、ホルモン検査値などがわからないので、具体的な治療に踏み込んだアドバイスはできていないが、体重や栄養摂取の重要性を理解して、その結果競技成績も上がっているとのことで、無月経が続いているにしてもさほど「重症」ではないなという印象である。月経が来ているかどうかはもちろんわかりやすい指標ではあるが、この状態ならば排卵の回復まではあと一歩である。この選手ならばきっと大学や実業団にすすんでも伸び続けていける。応援したいと思う。