2012年3月20日火曜日

including, but not limited to ...

ドーピング禁止物質は毎年少しずつ改訂されるので、新しい禁止物質リストには目を通しておかねばならない。禁止物質リストはWADAのページからダウンロードできるので、必要があればその都度すぐ確認することができる。このProhibited Listを読むときにいつも「どういう意味だっけ?」と一瞬考えるのが、標題にあげた"including, but not limited to ..."という決まり文句だ。例えばこんな感じ。

The following classes are prohibited:
Other anti-estrogenic substances including, but not limited to:
clomiphene, cyclofenil, fulvestrant.

この条文は、clomipheneなどの物質はダメだと言っているわけでそこを間違えてはいけないのだが、直訳すると
「以下は禁止される:その他の抗エストロゲン物質、以下を含むがそれに限定されない:クロミフェン・・・」
とでもなろうか。どうしてこんな理屈っぽい言い方をするのかと思ったら、この語法は(Prohibited Listに限らず)英文の契約書や約款に良く出てくる言い回しらしい。”including"のみにしたときに、以下に続く具体例のみに制限的に解釈した裁判所がかつてあったようで、それが理由で「それだけに限定されない」と念押しするようになっているとのこと。契約社会らしい表現だ。


ちなみにここで例にあげたクロミフェンは、無月経や不妊症の治療で広く排卵誘発目的に用いられる内服薬だ。禁止物質であることを知っておいてほしい。

2012年3月18日日曜日

京都マラソン〜必死でぎりぎりサブスリー



今年度のフルマラソンシーズンの最後のレースには記念すべき第1回の京都マラソンを選んだ。アップダウンが多いうえに河川敷の走路部分もあり、自己記録は出そうにないコースだということはわかっていたが、今シーズンはどうせ絶不調なこともあり、これを最終レースに決めた。ただしできれば2時間55分、最低でもサブスリーは達成したいと思っていた。特に3月11日という震災一周年の日。いい加減なファンランなどをしては申し訳ない。不調ながらも全力で走ることに決めていた。
で、結果は2時間59分20秒でなんとかサブスリーを確保。前半は緩いアップダウンをむしろウェーブ感覚でいい調子で走れていたが、25km手前の狐坂でノックアウトされた。ここの給食所にあったのが名物の生八ッ橋。これを逃すわけにはいかない。欲張って二個同時ほおばっあところ、一瞬息できなくなったが、おかけで後半ガス欠にはならず。もちもちした食感といい甘みといい、給食には案外いいかもしれない。
このコースは確かにハードだが、天候に恵まれたこともあり、応援が途切れることなく、走っていてとても楽しかった。
スタート前の全員黙祷と、晴れ渡る平安神宮鳥居ゴールにも感動。
しかし、一番応援に感動した場所は仁和寺。山門に僧侶20人くらいが並んで、「東北共に在り」の白横断幕掲げて、大音声での声援。思わず両手を全力で振ってしまった。
数日にTwitterに登場した仁和寺のコメントもよかった。書き写しておく。
「京都マラソン時の仁和寺僧侶の応援に、多くの方から感謝のお言葉を戴いております。有難うございます。仁和寺の僧も他の応援者と何ら変わりません。ただ、仁和寺のご本尊様と悠久の歴史が大きな力となって届いたのでしょうか?その力を何らかの形で被災者はじめ多くの方に引き継いで下されば幸甚です。」

2012年3月8日木曜日

柴原先生大躍進!〜「ランナーズ」もご一読を

大学病院勤務でありながら私以上に(?)マラソン狂いの産婦人科医がいる。自治医大教授の柴原 浩章先生だ。
平成20年(3年半前)の神戸での生殖医学会で、柴原先生がランチョンセミナーの終盤を使ってご自分のマラソンデビュー話をされたのにびっくりし終了後にご挨拶。以降、時々情報を交換させていただいている。
柴原先生、マラソンを始めてまだ4年なのに、ぐんぐんのめり込み、どんどんタイムを縮めて、昨年の青島太平洋マラソンでついにサブスリーを達成。勢いはとどまるところを知らず、今年2月の別大マラソン(写真)では2時間55分(僕は初敗北)、先日の東京マラソンでは2時間53分と、走るたびに自己記録を更新している。もはや年代別入賞の常連。
僕ももう追いつかれそうである、というかもう抜かれているのではないか。今シーズンベストだけでも何とか上回るべく、京都マラソンの目標を2時間52分台に定めた。
50歳代でのこの躍進振りを支えているのは、研究熱心さと時間の上手な使い方だと思われる。日常の練習時間はもっぱら朝5時から、というからなかなか真似できない。
サブスリー達成記念に、「ランナーズ」へ投稿、どうですか?とそそのかしたら、本当に現在発売中のランナーズ4月号「Happy Running Story」に掲載されている。興味のある方はご一読を。僕も匿名の先輩産婦人科医ランナーとして登場している。

2012年3月7日水曜日

日女体大で講演〜陸上部学生にはピンと来なかった?


昨年9月のSTCIシンポジウムでご一緒した縁で、日本女子体育大学の佐伯徹郎先生にお招きいただき、陸上部全部員を相手に「女性のスポーツ医学」と題した講演を行ってきた。名門陸上部も近年は低迷気味で、全日本インカレや全日本大学駅伝への出場もかなっていない。低迷打破の起爆剤として、部員の意識を高め脳も刺激する目的で私がまず呼ばれた、ということらしい。光栄なことである。
会場へ赴くと、何と近所の第一生命陸上部の皆さんも多数おいでになっている。顔見知りの選手も何人か。何でも午前の練習予定を午後に変更してまで、講演聴講を強制(?)いただいたようだ。選手の休日を潰してしまったか?申し訳ないことである。
さて講演の内容は、
(1)長距離選手の無月経の原因と対策
(2)月経時期調節と月経随伴症対策
(3)陸上競技における「性別問題」の最新
の3部構成。体育大学生とはいえ、排卵と月経のメカニズムもよくわかっていない子達だから、と言われていて、生理学の基本から繰り返し説明したつもり。経口避妊薬(OC)の実用面のノウハウもふんだんに盛り込んだが、わかってくれただろうか。
性別問題はもちろん付録。セメンヤ事件以来、国際陸連が「高アンドロゲン女子競技者」の検査システムを整備したことを紹介したうえで、将来中高生の指導の場に出る可能性がある体育大学生にも問題意識を持ってもらい「早期発見」につなげていきたいという狙いだ。

講演後の質問が「おとな」からしか出なかったのがとても残念だった。あとで見せていただいたアンケートによれば、
・専門的知識として聞くことができてよかった。
・今日の内容で自分が困ったことはないが、女性アスリートにとって必要な知識であることを認識した。
・難しい内容もあったが、これから指導者を目指す立場として知っておかなければならないことである。
・教育現場に立ったときにきちんと指導ができるようになれると思えた。
・内容が中長距離ブロックに偏っていたような気がする。
とのことで、あまり自分の問題としては捉えてくれなかったかな?と力不足を感じた。中距離に偏っていた?それはそうかもしれない。許せよ。

佐伯先生とはその後昼食会。何と高校時代、東京都の800mで1学年違いで競り合っていた可能性があることがわかった。こうしてお互い趣味が高じて仕事となって巡り会ったのも奇縁。今後もよろしくお願いしたい。

2012年3月6日火曜日

びわ湖毎日マラソン感想〜五輪選考が難しくなっちゃった

最近は、医務員だったり自分のレースがあったり仕事が忙しかったりで、主要マラソンは後からVTRで早送りしながら見ることがほとんどだったが、久しぶりにびわ湖は最初から最後までリアルタイムでテレビ観戦できた。
当初は低温無風の好コンディションかと思われたが、降り続く小雨が結果的にレースに陰を落とす。ウェアやシューズが雨で濡れると、特に気温10℃以下の低温下では間違いなく選手の体温を奪い、体力を消耗させる。調子よく走っているときは感じないが、いったんペースダウンし始めると体温を維持するので精一杯。冷え始めた体に再度点火するのは容易なことでなくなる。したがって、ペースダウンしながらも何とか持ちこたえて粘る、というレースはなかなかしにくい。へばるととことん落ちる。エネルギーを燃焼させ続け、ラストへ向けてビルドアップ気味に上げていけた者が最後に笑う、実際にそんな展開となった。
レースの分岐点となったのは25km。ペースメーカーが離れたと同時に、力が余っている(と錯覚した)外国人選手が一気にペースアップする。実力がついてきたことと好調とを他覚・自覚していた堀端選手(旭化成)は、外国人と勝負しないと五輪に出ても意味がない、と少々意地になっていたのではなかろうか。ペースアップに一人ただちに反応して、この時点では大器の片鱗を見せていた。やはり堀端強い、と観戦者は思ったに違いない。ところがここで無理をしたことが裏目に出る。おとなしく五輪選考に徹して日本人集団の中にとどまっていたら・・・展開は違っただろう。
これは出岐選手(青山学院大)についてもいえる。何しろ初マラソンだけに、25km地点の余裕度自覚と実際の余力とに乖離があったと思われる。マラソンの経験とはとりもなおさず、自覚余裕度から残り距離を最高効率で走りきれるペースを算出する能力アップのことだ。しかもガッツ型だけに、先頭につく余裕があるのにつかないというのは考えられなかったのだろう。出岐選手ももしも日本人集団の中で自重していたら・・・五輪は夢でなかったかも。
さて、堅実で賢い走りの中本選手(安川電機)が後方から着実に追い上げてきて日本人一位は決まった!かと思いきや(僕もそう思った)、実は無理に中本選手の追い上げにもついていかなかった、というより「無理」を終盤まで温存しておいた山本選手(佐川急便)が後方から猛追していた。1500m 3分49秒のスピードはこういうときに強い。中本選手にスパート力が全くないことは(数回見ただけの)僕でもわかっていた。あっさり競技場で逆転。最後まで「燃焼力」を温存していた山本選手の勝ち!であった。

さてこれで五輪選考が難しくなった。もちろん藤原選手と山本選手は決まり。問題は3人目。巷では中本選手と前田選手(九電工)の争いで、中本選手有利、大穴は川内選手ということになっている。これに堀端君を加えた4人は選考レースの成績だけでも一長一短。中本選手は世界選手権で堀端選手に負けているし、前田選手は福岡で川内選手に負けているし、川内選手と堀端選手は勝負をかけた選考レースで失敗してるし…これは選ぶのが難しい。
ここで、あえてこの4人が2回ずつ走ってる選考レースのうち、成績の悪い方(失敗した方)をいっさい考慮しないことを提案したい。
そうなると比較的シンプル。世界陸上7位入賞の堀端選手が、(東京6位やびわ湖5位よりも)順位的価値、(本番で入賞してくれるかもしれない)期待値とも一番高いように思うがいかが。ちなみに僕は日本陸連医事委員会に属してはいるが、選考には全く発言権がないので、完全に外野の意見である。念のため。

山本選手の好きな言葉「因果応報」というのが「ざわめき」を呼んでいるが、これは否定的な意味ではなくて、野口みずき選手の名文句「走った距離は裏切らない」の言い換えではなかろうか。実際12〜2月の3ヶ月間、毎月1200kmという驚異的な練習量でびわ湖に合わせてきたという。丈夫なのが取り柄、と自分でも言っていたが、実業団の枠から飛び出た個性的な藤原選手や川内選手とは対照的に、実業団のメリットを生かした(川内選手には一日平均40km走る時間はないだろう)、もっとも実業団らしい選手が勝ったことになる。やはりマラソンへのアプローチはいろいろだ。そこがマラソンの奥深さなのだろう。

2012年3月5日月曜日

日本選手権20km競歩〜岡部・7位の快挙

2月19日に神戸で行われた日本選手権20km競歩女子で、埼玉医大1年の岡部文子が7位に入賞した(写真左端)。学生では2位。1時間36分42秒の記録は学生歴代8位。ロンドン五輪参加B標準記録も突破するというおまけもついた。

このレースでは、優勝した大利久美選手(写真先頭)が日本陸連が独自に設定した五輪選考標準記録を突破して五輪選手に内定している。岡部は7位にすぎないので、B標準を突破したといっても五輪出場の可能性はないのだが、一般向けにはインパクトがある事実だ。
レース展開はというと、8kmぐらいまでは5~7位集団にいて、一時は4位争いに加わっていた。しかし15kmすぎに左脚が痙攣しそうになり、ペースダウン。18kmで7位におちそのままゴール。20kmは初レースだっただけに経験不足とスタミナ面の不安が露呈してしまったが、長い距離に適性があるところを見せてくれた。本人としては85%程度の出来だったとのこと。

さて、日本選手権7位ともなると陸上部監督としては学生課と学長にアピールをする価値があろう、というわけで先日さっそく学長に結果報告をしてきた。これまで埼玉医大がスポーツの分野で名を轟かすということはなかったようで、たいへん喜んでいただいた。
陸上トラックを造っていただけるまで、何度でも学長・理事長のところへはうかがわなくては。まだまだこんなものでは終わらない予定である。

2012年3月4日日曜日

東京マラソン〜医務員も疲れる

今回の東京マラソンは35K手前の築地川公園の救護所で選手を待ち受けた。集合は9時15分。救護所のつくりはこんな感じでテントを3つ並べた中に簡易ベッドを8台ほど並べて、簡単な医薬品と水分、毛布などを用意する。医師3名にトレーナー4名、ナース4名、救命救急士2名にボランティア約10名で任にあたった。
車椅子レースの到着はあっという間。用意ができて、昼食をとったと思ったらもうやってきた。その間のレース情報は、携帯ラジオと救護所横にちょうど固定カメラを構えたテレビクルーのモニターで随時確認。川内選手の早々の脱落に落胆、藤原選手の快走ぶりに興奮してエリート選手達を見送った。
さてここからが知り合いランナーの多数通過時間帯。見つけて応援できたのは8人ほど。
サブ3.5ランナーが通るあたりから救護所が忙しくなる。多くが脚が痛い、つりそう、テーピングしてくれ、などのトラブルなので、トレーナーさんたちが大忙しだ。消炎鎮痛剤を塗るだけでよさそうなランナーにはナースたちに対応してもらった。実際にはケアしてもらったという気分的なものと束の間の休息が薬に立つのだろう。エアーサロンパスとコールドスプレーを用意した方がよかったかもしれない。
途中ドクターランナーとして現れた堀口君と記念のツーショット。
気温がちょうどよく途中晴れ間も出たため、脱水症のランナーは現れず、懸念した低体温症のランナーは2人だけ。嘔吐がおさまらない方はやむをえず救急車で病院へ搬送した。大事に至らず14時35分、救護活動終了となった。
家に帰るとこれが予想以上の疲れ。レースを走る方が楽かもしれない、というくらい。レースのVTRを早送りで見るのがやっとで翌朝まで起き上がれず。やはり来年は必ずやランナーとして参加したい。

2012年3月3日土曜日

「すべてのマラソンランナーに伝えたいこと」〜瀬古さんらしい本

先月発刊されたばかりの瀬古利彦著「すべてのマラソンランナーに伝えたいこと」を読んだ。あっという間に読める。内容も突飛なことはないし、軽く「何てことはない本だ」と流すこともできるかもしれない。特に瀬古さんの現役時代を生で知らない人にとっては。
しかし、はじめてマラソンをテレビで見たときから瀬古さんが唯一のヒーローであり、小学校ではじめてマラソンを走ったときから瀬古さんを真似しようとしていた自分にとっては、この本のいろんな部分に「反応」してしまう。

オリンピックとは縁がなかった悔しさは随所に表れているから言うまでもない。さらにタイムについても、条件が良くペースメーカーがつけば自分は2時間05分台で走れたというところ、なるほどと思う。もっと記録は出せたはずという自負があるのだ。ただし中山竹通は04分台で走れただろう、と書いているからよほど「後生畏るべし」だったのだろう。強さが身にしみていたと思われる。
指導者としては必ずしも結果を残せたとはいえなかった瀬古さん。自分でも「教えるのが好きだとはいえなかった」「現役時代のプライドが抜けきれなかった」と率直に反省している。ただしここでも、渡辺康幸は自分の言うことに必ずしも従わなかったが、全て受け入れてくれた国近友昭は2時間07分台で走って五輪代表になった、ということを成果としてさりげなく誇っているところが、テレビ解説で見る瀬古さんらしいところでほほえましい。
さて市民ランナーとして直接役立つノウハウは書かれているだろうか?
「車の運転も自転車も控えた方がいい」「練習では時計はするな」などというアドバイスは極端かもしれないが、案外私にはピンとくる。「お菓子を食べている選手には負けないと思った」というエピソードも「修行僧」と言われた瀬古さんの面目躍如である。一貫しているのは「普段から粘り強く取り組むこと、継続すること」のすすめだ。これが帯コピーの「折れない心」を作るのだという。王道のアドバイスすぎて、ひねりも面白みにも欠けるが、瀬古さんらしい。

最後に。これは編集者・出版社の問題だろうが、「まとめの文」や「役に立ちそうな内容の文」がいちいち青字になっているのが気に入らない。学生がテスト対策でマーカーをひいたあとか、お笑いタレントの「キモ」セリフを赤字で強調するテレビ字幕みたいで、見苦しいうえに読みにくい。安易なわかりやすさ、俗への迎合、というのは瀬古さんの美学にも反するのではないか。

2012年3月2日金曜日

もろやまトレイルランにエントリー

京都マラソン1週間前になった。短い距離の調整レースに出ていないし、タイムトライアルなども行っていないから調子が回復してきているかどうかわからないが、通勤ランのときの脚の動き、所要タイムからすると何となく一時の絶不調よりはましになってきているように思える。別大マラソンで「本気」を出せなかったし、その前後に風邪で2週間近くほとんど休んでいるから、単に疲労が一時的に抜けているだけかもしれないが。

スポーツエイドジャパンからレースの案内が送られてきていて、新設の地元レース、新緑の奥武蔵もろやまトレイルラン21kmにエントリーした。5月13日は関東インカレの第1週。昨年と同様のスケジュールであれば、日曜午前中は埼玉医大からの出場種目はない、はず。奥武蔵ウルトラマラソンでおなじみに毛呂山総合公園発着だから、地元も地元。コースの多くはグリーンラインの北側、ハイキングコースとしてもあまり整備されていないところが主体だが、もちろん僕にとってはおなじみコース。ただ21kmの部にのみ含まれるエビガ坂〜ユガテ〜北向地蔵の部分は、比較的メジャーなハイキングコースしかもシングルトラックで、5月の日曜午前だけに、ハイカーとの接触が心配なところ。

このブログを見て下さっている、埼玉医大新入生のお父様からメールをいただき、お子さんの様子を確認(監視?)しがてら、なんとこのもろやまトレイルに出場予定とのこと。不思議なつながりである。