特に「男性→女性」(MTF)の強い選手が現れて、女子の世界記録に迫る、ないしは更新する場合などが問題となる。
今回の指針によれば、MTFの選手は初回の競技出場前に少なくとも12ヶ月間、自分の血清総テストステロンレベルが10nmol/L未満であったことを示さねばならない。ただし「12ヶ月が女性競技におけるアドバンテージを最小化するのに十分な長さかどうか議論がある」とも付記されており、本当に1年間低テストステロンであるだけで女性競技に出場することがフェアかどうか、今後検証していくことが必要と思われる。今回の指針はトランスジェンダー選手の権利確保を主に考えられており、女性競技におけるフェアネスの維持という点については後回しになっている感がある。
実際、成人に達するまでにテストステロンの影響を受けて「男性的に」形成された身長、骨格、筋肉量などは、その後低テストステロンになったとしても維持される。
2009年のベルリン世界陸上の際に問題となった800mのキャスター・セメンヤ選手の例では、もちろんMTFとは異なるが、テストステロンの効果を受けて男性的体格となった後、性腺除去手術を受け、テストステロンレベルは10未満が1年以上続いたことが確認されて女性競技に復帰しているはずである。しかし6年経過後の現在も、やはり男性的パワーでもって世界のトップクラスを維持している。最近の南アフリカ国内のレース映像も確認したが、体型やフォームなどは変わっていない。
思うに(成人期までの)テストステロン効果がモノを言う種目とさほどでもない種目がありそうで、800などはモノをいう方なのだろう。もしこれまでの検討が「さほどでもない種目」での調査結果をもとに「1年間の低テストステロンで十分」というのは、やや危険な気もしている。
1 件のコメント:
はじめましてm(__)m
オススメから参りました!学生時代、陸上部でした!
埼玉医科大の先生には他病院にて御世話になって居ります。
現在、婦人科外来にギリギリ4手前の結果が出る状態で
経過観察通院中です。
陸上も、お仕事も頑張って下さい(*^_^*)
宜しく御願いしますm(__)m
うみ姉
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