2018年6月5日火曜日

「10年間生理が来ていません」

以前大学時代にお世話になっていた陸上・長距離の○○です。今は実業団として競技を続けています。
最近まで生理が来てないことや女性ホルモンが少ないことから目を背けてしまっていましたが、歳もかさねて、改めて今自分の置かれている状況が凄く危ないのではないかと考え病院に行き、治療を始めようとしたところです。
実際、こういう生理を10年近く来させていない状況ではもう将来、妊娠する事は難しいのでしょうか。まだ競技はもう少し続けていきたいと思っているのですが、考えれば考えるほど将来がとても不安になり、メールさせていただきました。お時間ある時にもしよろしければお返事いただけたらとおもいます。


お久しぶりです。活躍ぶりは拝見しています。
まず、無月経が長期になってしまっているとのこと、憂慮しています。
ただし、将来の妊娠が難しいということは全くありません。
一線から退いて、体重が6kgほど増えればほとんどの選手で月経が半年以内に再開しています。
現役のときに無月経だった選手と、月経がきていた選手と、不妊治療が将来必要になった割合に差はありません。
まずはご心配なく。

問題は、骨密度が維持できているか、年々(特にレース距離、練習走行距離が延びるにつれて)故障しやすくなっていないか、という点です。
疲労骨折や骨盤まわりの故障はおきていませんか?
毎年骨密度は測っていますか?
現役選手を続けているうえで、ひょっとしたら自然の月経発来は無理かもしれませんが、せめてエストロゲン欠乏状態から脱するためにホルモン補充療法を再開してみませんか。
骨密度が十分でない場合には、ビタミンD3製剤やその他の骨粗鬆症治療薬など、おすすめできるものがあるかもしれません。
ぜひ○○さんには、息の長い、できれば子どもを産んでからも競技を続けるられるような選手になってほしいと願っています。


0 件のコメント: