婦人科医として「世界に羽ばたく」「美しくたくましい女性ランナーを育てるために」特に指導者に留意してほしいことは以下の2点である。
1.10代からの強度の高すぎるトレーニングを避ける
まず初潮を迎える時期のトレーニング強度の目安の一つとして、「15歳までに月経リズムを確立させる」ことを考慮してほしい。いちど「視床下部ー下垂体」の性中枢が成熟すれば、仮にその後に自然排卵がなかったとしても、おそらく将来の妊孕性に関する問題は少ないと思われる。続いて思春期のトレーニングの強度の目安としては、「高校の間(16-18歳)は月経があるように」してほしい。ただし限界のトレーニング強度は選手個人によって当然異なるわけで、例えば部員9人の月経が止まっても残り1人が止まらなければ、その1人こそがチームのエースたりえる。20歳まで月経があればいったん人並みのpeak bone massが形成されれば、仮にその後無月経になったとしても骨粗鬆症の問題は起こりにくい。
2.20代後半~30代で競技生活のピークを迎えるような長期的視野をもつ
女性機能も peak bone massも完成した成熟した女性アスリートを目指してほしい。そしてできれば出産後の競技継続も奨励したい。これは競技生活の長さの証明でもあるし、「正常な女性機能」を保持している証でもあるから。
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