2012年3月7日水曜日
日女体大で講演〜陸上部学生にはピンと来なかった?
昨年9月のSTCIシンポジウムでご一緒した縁で、日本女子体育大学の佐伯徹郎先生にお招きいただき、陸上部全部員を相手に「女性のスポーツ医学」と題した講演を行ってきた。名門陸上部も近年は低迷気味で、全日本インカレや全日本大学駅伝への出場もかなっていない。低迷打破の起爆剤として、部員の意識を高め脳も刺激する目的で私がまず呼ばれた、ということらしい。光栄なことである。
会場へ赴くと、何と近所の第一生命陸上部の皆さんも多数おいでになっている。顔見知りの選手も何人か。何でも午前の練習予定を午後に変更してまで、講演聴講を強制(?)いただいたようだ。選手の休日を潰してしまったか?申し訳ないことである。
さて講演の内容は、
(1)長距離選手の無月経の原因と対策
(2)月経時期調節と月経随伴症対策
(3)陸上競技における「性別問題」の最新
の3部構成。体育大学生とはいえ、排卵と月経のメカニズムもよくわかっていない子達だから、と言われていて、生理学の基本から繰り返し説明したつもり。経口避妊薬(OC)の実用面のノウハウもふんだんに盛り込んだが、わかってくれただろうか。
性別問題はもちろん付録。セメンヤ事件以来、国際陸連が「高アンドロゲン女子競技者」の検査システムを整備したことを紹介したうえで、将来中高生の指導の場に出る可能性がある体育大学生にも問題意識を持ってもらい「早期発見」につなげていきたいという狙いだ。
講演後の質問が「おとな」からしか出なかったのがとても残念だった。あとで見せていただいたアンケートによれば、
・専門的知識として聞くことができてよかった。
・今日の内容で自分が困ったことはないが、女性アスリートにとって必要な知識であることを認識した。
・難しい内容もあったが、これから指導者を目指す立場として知っておかなければならないことである。
・教育現場に立ったときにきちんと指導ができるようになれると思えた。
・内容が中長距離ブロックに偏っていたような気がする。
とのことで、あまり自分の問題としては捉えてくれなかったかな?と力不足を感じた。中距離に偏っていた?それはそうかもしれない。許せよ。
佐伯先生とはその後昼食会。何と高校時代、東京都の800mで1学年違いで競り合っていた可能性があることがわかった。こうしてお互い趣味が高じて仕事となって巡り会ったのも奇縁。今後もよろしくお願いしたい。
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