数年単位で無月経となっているアスリートの子宮を、下腹部に超音波プローブをあてて見ると、通常きわめて小さい。子宮体部長が(通常7cm程度のところ)4cmくらいで、思春期前の「小学生レベル」の子宮である。
これは長期間の低エストロゲン状態の結果である。子宮はエストロゲンにより大きさが維持されるからである。
「子宮がずいぶん小さいよ」と告げると、アスリートも同行の母親も心配そうな顔をする。
しかし案外、子宮サイズは可逆的というか、可塑性があるというか、エストロゲン分泌さえ回復すれば必ず正常サイズに戻ってくる。拒食症の患者も同じで、3ヶ月くらいエストラーナテープ®を貼っているとほぼ通常サイズに戻ってくる。外国で60歳代のおばあちゃんが(癌で子宮摘出された)娘の受精卵を子宮に移植してもらって妊娠・出産した、などという報道が時々されるが、いったん閉経した女性の子宮さえエストロゲンさえ投与すれば妊娠可能になるのだから、かなり子宮はフレキシブルな臓器である。だから無月経のアスリートもあまり心配しなくてよさそうだ。
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