2009年6月7日日曜日

安達太良山トレイルラン

医局旅行で福島・岳温泉へ行ってきた。
医局旅行は新入医局員の歓迎会を兼ねて毎年6月頃に行っているのだが、一昨年だけは行っていない。その年の唯一の入局者がすねるといけないので、急遽「累積入局者が2人を越えたら医局旅行を挙行する」旨、医局長の僕が勝手に新ルールをこじつけた。
今年はめでたく昨年秋に中途入局が1人、今年秋に新入局が1人で、挙行にこぎ着けた。

で、僕が燃えたのは、昨年の草津白根山同様、2日目(日曜)朝のトレイルラン(ここは自分だけ早起きする)&ハイキング(みんなを連れ回す)。
今回は、当然安達太良山に登りたかったが、みんなのハイキングは時間的に無理、というわけで、4時半起床で僕だけ登ってきた。




岳温泉4:33〜奥岳登山口(960m)5:18〜あだたら自然歩道〜勢至平5:54〜峰の辻6:20〜牛の背6:38〜安達太良山頂(1700m)6:45〜薬師岳みはらし台(1340m)7:11〜五葉松平7:17〜あだたら自然歩道終点7:38
(合計約18K 3時間05分)

雨と厚い雲のため特に山頂付近では見晴らしはほとんどなし。足場も悪かったが、なんとか完走。雪渓も残っていた。下山路ではレインウェアに身を包んだ登山者と5-6人すれ違った。おそらくこの日の安達太良登山一番乗り。
みんなと合流後はあだたら自然歩道を散策してホテルへ帰還。

2009年6月5日金曜日

7月に大分で講演予定

7月に国立病院機構西別府病院で女性スポーツ外来を担当しておられる松田貴雄先生に別府までお招きいただいた。3日(または4日かも、詳細未定)に市民公開講座として「女子長距離走選手の婦人科的サポート」をテーマに講演させていただけることになっている。新設の大分キャノンをはじめ、九州近県の女子長距離関係者の方々が聴きに来てくださるといいのだが。
松田先生は婦人科医としてなでしこジャパンに帯同するなど、主に女子サッカーの分野の医学サポートに活躍されている。なお、松田先生には去年も今年も別大マラソン出走の際に沿道で応援していただき、たいへん感謝しております・・・。

講演会についての問い合わせ先は、
国立病院機構西別府病院 松田貴雄先生 病院代表電話 0977-24-1221

2009年6月4日木曜日

月刊陸上競技に寄稿


「アスリートのためのコンディショニング」という連載で「婦人科的諸問題」として書いたのが載っている。少しでも多くの中学や高校の女子選手を始動するコーチ・監督が見てくれるといいが。
なお前のページには、すぐ近くの坂戸中学校の先生が技術指導を担当していてびっくりした。面識はないけど。

2009年6月3日水曜日

STCIシンポジウム

だいぶ時間がたってしまったが、シンポジウム出演の報告を。シンポジウムという名称にふさわしい(?)少々固い雰囲気だったので、なんとか場の雰囲気をほぐそうとして盛り上げたつもり。
まず最初に10分時間をいただいて、主に「女子長距離選手を無月経にしておいてはいけないよ」というイントロダクションをお話しした。箇条書きにするとこんな内容。
● ジュニア日本代表女子中長距離選手の多くが無月経。しかしシニア日本代表になると月経のある選手の方が多数派。
● 体脂肪が15%だと半分、10%切るとほとんどの選手が無月経となってしまう。
● 月経がない、すなわち排卵がないと、徐々に低エストロゲン状態となってしまう。
● 骨塩量は30才前後がピーク。血中エストラジオール値が低いほど骨塩量が低い。
● 月経停止期間が長い人ほど、また月経停止年齢が低いほど骨塩量が低い傾向にある。
● 摂食障害、無月経、骨粗鬆症のトライアングル(悪循環)に陥ってしまうと相当深刻。
● 10代からの強度の高すぎるトレーニングを避けるべし。15才までに初経を迎えること、高校生の間には月経が止まらないようにさせることが必要。
● 20代後半から30代で競技活動のピークを迎えるような長期的視点をもつことが必要。
● 出産後の競技継続を奨励したい。

これについて、後で高校の指導者に対してどのように啓蒙活動をすればいいか、という質問が出たので「啓蒙するだけでは限界がある」という前提で、こんな提言をしてみた。
● 全国高校女子駅伝がテレビで放映されるようになり、どうしても高校時代の結果を求める指導者が多くなる。高校では一流でなくても後に大きく成長した赤羽選手の高校の先生(コーチ)などがもっと評価されなくてはならない。

出産を終えた赤羽選手、妊娠中の大島選手が壇上にいるだけに、妊娠中のトレーニングあるいは出産後の回復期のトレーニングの話が主体になった。産婦人科医としてのコメントは、
● 妊娠中のスポーツに対しては、どうしても産婦人科医は制限をかける立場にある。「これだけトレーニングをしても問題なかったよ」という実例が示されてはじめて我々の頭の中が変わるのであって、現時点ではなかなか「好きなようにどうぞ」とは言いにくい。
● 産後のトレーニング復帰のガイドラインによれば、持久力トレーニング、筋力トレーニングなどは産後すぐから開始できるが、片足立ちでバランスをとったり対人動作を行ったりするのは、骨盤が安定する数ヶ月後からが望ましい、となっている。

女性アスリートの活躍する環境整備というのがシンポジウムの題目だったわけだが、ゆくゆくは多くの強い選手が自立して30代でも活躍するようになればいいし、たとえばJOC強化指定女子選手の半数以上がママになればJISS(国立スポーツ科学センター)に保育施設ができたりするのでは?とコメントさせていただいた。

世界選手権マラソン代表に決定したばかりの赤羽選手の出演がこのシンポジウムの目玉。赤羽選手本人の努力もさることながら、献身的に(といっていいでしょう?)食事、子守り、練習環境整備に専念する周平さんには敬服した。この方、根っからのマネージャー向きでどの仕事も手抜きなし。真剣に、しかもオリジナルで、楽しそうにこなしている。なお、城西出身の赤羽夫妻、坂戸〜毛呂山近辺で青春をすごしたわけで親近感抜群である。

2009年6月2日火曜日

臨床推論


4年生が6人ずつ火曜の午後に2時間各診療科に回ってくる。「臨床推論」という科目だ。5年で行う病棟実習ではまだないから、実際の患者さんに対する医療を見学させるのとは違う。診療場面を想定したシナリオをつくっておき、「次は何の検査をする?」「何の疾患を考える?」などと問いかけながら、自ら診断をすすめる能力を養うという趣旨である。
こんな手の込んだ教育は自分が学生のときは全く受けなかったなあ・・・。
学生たちを最後に新生児室の赤ちゃんに触れさせると、一様に笑顔がこぼれる。これで来年の産婦人科実習への期待と勉強のモチベーションが高まるのならいいのかな。