2011年3月29日火曜日

美しくたくましい女性ランナーを育てるために指導者に留意してほしいこと

婦人科医として「世界に羽ばたく」「美しくたくましい女性ランナーを育てるために」特に指導者に留意してほしいことは以下の2点である。
1.10代からの強度の高すぎるトレーニングを避ける 
まず初潮を迎える時期のトレーニング強度の目安の一つとして、「15歳までに月経リズムを確立させる」ことを考慮してほしい。いちど「視床下部ー下垂体」の性中枢が成熟すれば、仮にその後に自然排卵がなかったとしても、おそらく将来の妊孕性に関する問題は少ないと思われる。続いて思春期のトレーニングの強度の目安としては、「高校の間(16-18歳)は月経があるように」してほしい。ただし限界のトレーニング強度は選手個人によって当然異なるわけで、例えば部員9人の月経が止まっても残り1人が止まらなければ、その1人こそがチームのエースたりえる。20歳まで月経があればいったん人並みのpeak bone massが形成されれば、仮にその後無月経になったとしても骨粗鬆症の問題は起こりにくい。
2.20代後半~30代で競技生活のピークを迎えるような長期的視野をもつ
女性機能も peak bone massも完成した成熟した女性アスリートを目指してほしい。そしてできれば出産後の競技継続も奨励したい。これは競技生活の長さの証明でもあるし、「正常な女性機能」を保持している証でもあるから。

2011年3月28日月曜日

全国高校女子駅伝の功罪〜若手女子ランナーとその指導者へ

全国高校女子駅伝という大会がある。私はこの駅伝には功罪両面があると思っている。平成22年で第23回を数えるこの大会は5区間、21.0975kmの距離で行われ、NHKで全国放映される。才能ある若いスピードランナーの発掘の場であり、実際に中高校生ランナーのモチベーションを高めるのに役立っていることは確かだろう。しかし、どうしても指導者や学校は成績を追求してしまう。選手を5人揃えなければならないため、チーム内で走力に差がある場合に中堅以下の選手に無理が来るし、選手の月経状況に注意を払える指導者はまだまだ少数派。選手本人も(親も)選手に選ばれたいがため、故障しても月経が止まっても走ろうとする。結果的に将来大成するような選手を生み出していない、ないしは将来の芽を摘み取っていやしないかという問題が存在するのだ。月経が止まる、というのは「無理が来ているよ」というサインなのだから。
では女性ランナーを見守る我々になにができるだろうか。
まずは月経異常の「早期発見」。これは選手本人の自覚もさることながら、トレーナー、チーム栄養士、コーチ、親の役割ともいえる。
次に「数値化」。ホルモン値、骨密度に加え、体重・摂取カロリー・消費カロリーを把握することにより適切な対策を立てねばなりません。栄養士の協力も必要となる。
そして「早期介入」。トレーニング強度、摂取カロリーの見直し、(低エストロゲン状態の場合は)ホルモン補充療法の開始を早急に検討せねばならない。

2011年3月27日日曜日

運動性無月経の成因についての最近の考え方〜“Low energy availability”仮説

運動性無月経の成因についての最近の考え方を紹介する。これは食事の重要性に重きを置いた考え方で、“Low energy availability”仮説という。すなわち、「食事によるエネルギー摂取」から「運動によるエネルギー消費」を差し引いた「エネルギーの余裕度(=energy availability)」が少ないことが、運動のストレスよりも直接的に月経異常の原因になるというもの。正常な代謝を維持するためには体重50kgの選手で1日1250~1500kcalが必要とされるので、エネルギー摂取量は、運動による消費+1500kcal(+α)が必要ということになる。
したがって運動強度を上げていく場合、エネルギー摂取量をそれに伴って上げていかなければ月経異常を引き起こすことになるし、逆に言えば適切な摂取エネルギー増量を行えば月経異常は予防可能だということになる。

そもそも月経とは排卵という「妊娠をするための機能」に伴うものである。個体の存続さえ危ういような「飢餓」状態では、さらに余分なエネルギーを要する妊娠などという状況に陥ることは避けるべし、と脳が判断し排卵を差し止める、というのは太古より動物に備わった防衛本能といえるかもしれない。そうした脳からの「警告」を無視して、強度の高いトレーニングを行い続けた場合どうなるか・・・。何らかのしっぺがえしが体を襲う可能性が予見できるだろう。

無月経と骨量低下(骨粗鬆症)に摂食障害を加えた3つの徴候を「女性アスリートの3徴」と呼び、国際陸連もそのウェブサイトで警告を発している。トップランナーほど必要以上の「やせ」を追求してしまいがちであり、そのような精神的重圧が拒食、その反動としての過食といった食行動の異常を生みやすいことも知られている。「思い通りに減量できたけれども、無月経となり、長期化して骨粗鬆症となり、疲労骨折で走れなくなる。練習量が減るため、太ってはいけないから、食べては吐きの食行動異常が加速し、ますます無月経が長引き・・・」といった悲惨な悪循環を断たねばならない。

2011年3月26日土曜日

無月経女子選手の将来の妊孕性は?

さて、無月経が長期化した場合、将来妊娠できるかどうか(「妊孕性」という)は大丈夫?と誰もが心配する。実はこれについての解答は「まだわかりません」である。
昭和39年の東京五輪に出場した女子選手を後年調査したところでは、妊娠回数や分娩数に一般女性との差は特にない、という報告が出ているが、なにしろ当時は女子長距離走種目や新体操などは存在しない時代である。無月経だった選手の割合も不明。だから、現在無月経に陥っている女子ランナーの将来の妊孕性を保証するものでは全くない。
幸いにして、実際には現役を引退した女子選手の多くが、妊娠・出産に至っている。土佐礼子選手や弘山晴美選手が競技の一線から退いて間もなく妊娠のニュースが入ってきたことも「安心材料」と言えるだろう。ある実業団の監督も「やめて1年くらいすればみんな生理は戻ってきてるよ」と言っていた。
多くの「軽症例」(例えば25歳頃までは月経があり、マラソン練習に移行して初めて月経が止まった場合など)では、激しい練習からの離脱、体重の増加、摂食量の増加により容易に排卵が回復してくるものと推測される。
ただし例えば、中学時代にほんの数回しか月経がなくそのまま高校以降20歳をすぎても無月経、という(ほとんど原発性無月経に近い)ランナーの排卵を調節する視床下部・下垂体の性中枢は本来成熟すべき思春期の時期を「逃して」しまったわけで、今後競技をやめたり体重が増えたりしたからと言って、そう簡単に成熟を遂げるとは考えられない。
適切な比較かどうかはわからないが、食行動の異常と極端な体重減少を特徴とする神経性食思不振症という無月経患者の場合には、体重がある程度増加してきてもなかなか性中枢機能が回復せず、排卵が再開するまでには数年単位のホルモン療法が必要となってくる。
こうした長期無月経の女性の子宮を超音波で見ると、極端に萎縮していることがわかる。通常6-7cmある子宮長が3-4cm程度しかないのが普通だ。
したがって、無月経のランナーがどれくらいいるのか、また長期間無月経であった女子ランナーがいつ頃排卵を回復しているのか、不妊治療(排卵誘発治療)を必要としなかったのか、妊娠・出産に至っているのか、などについて実業団チームの協力を得て、日本陸連としても調査を開始しようとしているところだ。

2011年3月25日金曜日

ホルモン療法に対する女性アスリートの誤解

昨日の続きである。
女子長距離選手にホルモン療法をお勧めすると、だいたいこんな反応が返ってくる。

薬の副作用として、体が浮腫んだり体重が増えたりして、選手によっては体質が変わってしまうという話も聞いたのですが?
また長期間無月経の後、自然に月経がきたらどんどん太って走れなくなり、結局辞めてしまったという選手もいるようですが?
競技をするうえでマイナスに働くなら、無月経のままでもいいのでは・・・とコーチに言われたのですが?

この誤解がスポーツ婦人科医が闘わなければならない大きな壁である。
ホルモン剤はすべて同一ではない。
確かに、不用意にピル(特にドオルトンなどの中用量ピル)を内服すると、懸念されているような副作用(浮腫み、体重増加など)がありうる。特に体重の少ない長距離選手にはこうした副作用が強く出るような印象がある。だから私は絶対にいきなり無月経の選手にピルを処方したりはしないようにしている。
実際、無月経に対するピル内服をきっかけに体重増加が進行し競技生活断念に至った選手の話を私も聞いている。


また、自然に月経が再開したということは、練習量が減ったか、摂食量が増えたか、体脂肪量が増えたか、いずれかの場合が多いので、やはりそれをきっかけに(一時的には)走れなくなったのであろう。
決して月経が再開したから走れなくなったわけではなく、原因と結果を取り違えないようにしなければならない。

さて、無月経となってしまった女性ランナーの場合、低エストロゲン状態に対する治療薬は決してピルではない。(更年期のおばちゃまがたに処方されるのと同じ)ホルモン補充療法用のエストラジオール製剤である。製品名でいうとディビゲルとかジュリナ。これは体重増加、むくみ、競技力低下などの副作用の心配はまずない。少なくともオフシーズンから鍛錬期にかけては問題なく使える。
もしホルモン補充療法を継続したままだと体重を減らしにくい、絞りにくい、と感じるならば、レースシーズン中(あるいはマラソンランナーならばレース前1ヶ月)のみは中断してもいいかもしれない。実際そのような治療のサイクルを自分で編み出している一流選手もいる。
ぜひぜひ、ホルモン療法を行うと走れなくなるなどと誤解のないようにしていただきたい。それと同時に、世の産婦人科医が、意を決して訪れた女性ランナーに対して(他の様々な続発性無月経患者に対するのと同様に)ぽーんと考えなしにピルを処方して消退出血をとりあえず起こしておけばいいや、という治療を行わないことを望む。こうした治療が誤解を解くどころかさらに陸上界にはびこる「伝説」の強化につながってしまうのだ。

2011年3月24日木曜日

女性ランナーの疲労骨折と無月経~もちろん関係ある

先日も3年近く無月経となっている実業団所属の女子長距離ランナーから相談があった。彼女は日本代表経験もあるトップランナーだが、恥骨の疲労骨折が判明してしまったとのこと。自分でも無月経との関連が気になったと見えて、「やっぱり放っておくのはよくないですか?」と質問してきた。

こういう質問には以下のように返答する。
やはり疲労骨折という「結果」を示された以上は、無月経に対する精査・治療を開始した方がいい。少なくとも今回の恥骨の故障・リハビリ期間中は。
最初に血中LH、FSH、エストラジオール値を採血により測定し、できれば骨塩量(骨密度)も測定し、そのうえで治療方針を立てることになる。
実業団入社後約3年の無月経だから、おそらくはエストラジオール値10未満の低エストロゲン状態と予想される。さらに、重症の場合にはLH・FSHも1未満に低下していて、そう簡単には「排卵-月経のリズム」は回復しないことがわかる。
こういう場合にはホルモン補充療法を開始したほうがいい。

本人にはこんな風に、信頼できる婦人科受診をすすめるのだが、さらに補足しておきたい。
特に脛骨や中足骨などよりも、「恥骨」の疲労骨折というところが、無月経との関連をうかがわせる。脚部、足部の疲労骨折は、練習量や路面、シューズなども大きく影響するだろうが、恥骨・骨盤の骨密度、疲労骨折のおきやすさはダイレクトに月経状況に関連するようだ。
それから補足の2番目。低エストロゲン状態であっても必ずしも骨密度低下を認めない選手もいる。特に大学4年間は比較的のんびりとした競技生活を送って、それから実業団入りして無月経となったような場合。22歳までに十分な"peak bone mass"が形成されているから、数年の無月経ではそう簡単には骨粗鬆症にはならない。高橋尚子選手も土佐礼子選手も大学時代から日本トップクラスのマラソン練習をしてきたわけではない。だから実業団に入って(当分は)「骨の蓄積」があるので頑張れるのではないか。

2011年3月23日水曜日

「抗エストロゲン剤」がドーピング禁止物質である理由

2011年のWADA禁止物質リストでは、抗エストロゲン剤関係では以下の3種が指定されている。すなわち
・アロマターゼ阻害薬
・タモキシフェン、ラロキシフェンなどのSERM
・クロミフェンなど
である。
アロマターゼはアンドロゲンからエストロゲンへの転換酵素なので、その阻害薬(閉経後乳癌などで用いられる)は体内アンドロゲン量が増やす方向に働くと考えられる。だから禁止。これはわかる。
クロミフェンやセキソビットなどの排卵誘発剤は、エストロゲンに拮抗することでネガティブ・フィードバックを利用して卵胞刺激ホルモン(FSH)などの下垂体ホルモン分泌を高める働きがある。男性では下垂体ホルモン増加により蛋白同化作用が亢進し、実際セキソビットはボディビルダーに用いられていたという経緯がある。しかし「女性でも」この蛋白同化作用が亢進するのかどうかはよくわからない。
かつてはHCGやLHなどの排卵障害の患者に対して排卵をさせるために用いられるペプチドホルモン剤も「男女両方で」禁止されていたのが、現在は「男性のみ」禁止と変更されている。クロミッドやセキソビットなどの抗エストロゲン排卵誘発薬も将来「女性でなら」OKとなる可能性はあるかもしれない。
さらに、SERMが禁止薬物である理由は私にもわからない。SERMという薬は、通常のエストロゲンが体全体に働くのに対し、ある臓器にだけに選択的に働くのが特長だ。すなわち子宮や乳腺などのエストロゲンが働くことで癌ができやすい臓器には抗エストロゲン作用を示し、骨や血管などには有用なエストロゲン作用を発揮する。すなわち乳癌などを抑制しつつ骨粗鬆症や動脈硬化などの予防に繋がる物質というわけだ。少なくともこれらの物質は男性化作用はない(ことになっている)。あるいは蛋白同化作用の報告があるのか?
多くの閉経前乳癌患者の術後療法にとりいれられている重要な薬物なだけに、乳癌患者がアスリートであるためには、この薬が使えないことになり大問題である。今後の動向が注目される。

2011年3月22日火曜日

ピルとドーピングコントロール

ピル(最近は婦人科医の間ではOCということが多い)は経口避妊薬という扱いから、徐々に月経困難症や子宮内膜症の治療薬としての処方が増えてきている。現に、ルナベル、ヤーズという2種のOCが月経困難症の保険病名のもと、保険収載されている。

以前、私は臨床スポーツ医学という雑誌の「アンチドーピングのための頻用薬の知識」という特集に以下のように書いた。



1998年の競泳米国五輪選考会において、ある女子選手が蛋白同化剤であるナンドロロンの使用によりソウル五輪チームから除名され2年間の資格停止処分を受けたことがあった。選手側は避妊のために使用していたピル(OC)が検出されたと反論し、米国五輪委員会に対して訴訟を起こしたが、結局処分はそのままなされた。
OCはエチニルエストラジオールとプロゲスチンの2成分から成る合剤である。このうちプロゲスチンは副作用であるアンドロゲン作用を減弱させることを焦点に第1世代から第4世代まで開発がすすんできている。このうちアンドロゲン作用は第1世代プロゲスチンがもっとも強く、じっさい第1世代プロゲスチンであるノルエチステロンは体内でナンドロロンの代謝物の19-ノルアンドロステロンに代謝されることがあり、分析機関から違反結果と報告された場合、陽性と見なされる。
前述の米国競泳選手はこうした理由により、違反結果となった可能性がある。実際にかつてはノルエチステロンが禁止物質リストに掲載されていたこともあるが、現在はリストからははずれている。ただしノルエチステロンを含むOCを内服している場合には、ドーピング検査の際に念のため申告することがすすめられている。
ノルエチステロンが含まれるピルは、ソフィアA®(これのみが中用量)、オーソM-21錠®、オーソM777-21錠®、シンフェーズT28®、ノリニールT28®などであり、子宮内膜症治療薬として保険収載される予定のルナベル®も同様である。


これは決してルナベルはドーピング禁止物質であるということを述べたつもりはないのだが、そのように誤解した選手、医師もいたようだ。もちろんTUE申請も不要である。
ドーピング検査のときの「現在摂取している薬物」のところに記載した方がいいというだけである。
ただ、アスリートに対して月経困難症目的に処方するなら、今後はヤーズの方が圧倒的に優れていると思われる。エチニルエストラジオール量が6割近くに減り、むくみ、体重増加、吐き気などの副作用が激減している。
現に実業団長距離選手が「月経前症候群も月経痛もなくなり非常によい」と高評価を与えているし、その他の(アスリートでない)一般患者からも好評を博している。参考にしてほしい。

2011年3月21日月曜日

アスリートが手術をうける場合のドーピングは?

ロンドン五輪の前年となり、例えば卵巣嚢腫や子宮筋腫の手術を(五輪の年を憂いなく迎えるために)今年受けておこうと考えるアスリートがいるであろう。
子宮内膜症による月経困難症や子宮筋腫による過多月経など、現に日常生活の質を落とすような症状がある場合に、その判断はかまわないと思う。
さて手術を受ける場合、手術で使用する薬剤で何かドーピングコントロール上の問題になる事項はあるだろうか。
通常の婦人科手術を考えると、術後の特別な場合(乏尿となったときやショックとなったとき)に利尿剤やステロイドの静脈注射が用いられるくらいが、常時禁止薬物が使用される事態だろう。もちろん"IN COMPETITION"の禁止薬物であるモルヒネ、ペンタゾシンなどの鎮痛剤
が麻酔時や術後鎮痛に用いられることは頻繁にあるわけだが、これらはあくまでも「競技会における」ドーピングコントロールにおいてのみ対象となるので、気にしなくてよいだろう。
これまで私自身はアスリートを紹介した手術先の病院にあえてドーピングコントロールへの配慮を求めたことはない。それでいいと思っている。
手術というのは「人体に損傷を与えて、患部を除去あるいは修復することにより、より大きな利益を得る」という、人体にとっては特別な事態である。時にリスクを承知で手術に踏み切らざるをえないときもある。アスリートもドーピングコントロールを気にしすぎて医師に制約を科すような訴えをする結果、むしろ医師が必要な薬物を思い切って投与できない雰囲気をつくることがないようにしたいものである。

2011年3月11日金曜日

東北・太平洋沿岸地震~未曾有の国難

広範囲、大規模。未曾有の大災害となっている。職場から帰宅困難な方を含めて影響を受けた人は数知れない。肉親の安否が不明な方も多いだろう。
こういうときに何ができるか。まずは自分の足元の役割を確実に果たすこと。今日は病院の当直、明日は大学病院の勤務~当直。
そのうえで、東北地方の産婦人科医療に対してできることを考えたい。患者の移送?医師の派遣?
交通ラインが遮断されている現段階では現実味がないが。
今は日本中が大注目している被害状況だが、今度日数が経過するにつれ、深刻な影響を実感し続ける地域と(直接の被害がないために)「醒めて」きてしまう地域との温度差が心配だ。
国家の一大事と受けとめて決して「醒める」ことがないよう、一人埼玉県で浮いていても、警告を発し続けていきたい。
またこのような国難のときこそ、北朝鮮などの対外情勢への警戒を怠ってはならないと思う。

さて、地震直後の数時間、現時点に至るまで、携帯電話の脆弱性は明らかとなった。病院の固定電話もつながらなくなっている。携帯メールも同様だ。
一方でもっとも情報アクセスにストレスを感じなかったのがtwitter。 玉石混交の情報がとびかうという欠点はあるが、それでも「通じない」ことがなかった。
次にG-mailとチャット機能も迅速に使えたことも付記しておく。