2013年1月20日日曜日

都道府県対抗男子駅伝感想


今日は千葉マリンマラソン(ハーフ)に出場。そのレポートは後回しにして、帰宅後録画してあった都道府県対抗男子駅伝をチェック。存外、楽しめた。

面白かったポイントをあげておく。
①埼玉医大の総合診療内科秘書の息子さんが埼玉の2区で出場して7人抜き(17→10位。体は細くて小さいのに、頑張った。
②上野君(東京)の猛追。1分15秒差から終盤ぐんぐん詰まり、最後は5秒差。テレビカメラが油断してゴールテープを切る北村君しか映していなかった斜め後ろで渾身のラストスパートしていた。宗さんも「もうあきらめたか」みたいな発言をしていたけど、とんでもなかった。S&B所属としてのラストレースかな?意地を見た。
③で、当然上野君が区間賞かと思ったら、なんと日体大3年、佐久長聖の後輩矢野君(長野)が4秒差で上野君を抑えて区間賞。箱根では9区で区間2位だった選手。これには驚いた。都大路を走っていなかった選手。こういう選手が大学後半学年で頑張るのは両角先生の力だと思う。なにしろ今日は勝った他のアンカーたちの顔ぶれが凄い。
④その矢野君はゴール直前、鎧坂君(広島)をかわすも、鎧坂君も火が付いて負けじと直前で抜き返す。もっと早く気付けよ。ゴールまで20m近くあってよかったね。
⑤埼玉のもう一人の中学生斉藤君が6区で区間賞!お見事。一気に5位まで上がって上位進出の足がかり。埼玉県民としては楽しめた。
⑥斉藤君を引き継いだ6区設楽啓太君も実業団選手に全くひけをとらない、軽い走り。埼玉県チームに思い入れがあるというコメントがいい。埼玉県のユニフォームに合わせて、緑のマラソンシューズにしていたの、こだわりに気づいたよ(ちなみに箱根では白×紺のシューズ)。
⑦兵庫の4区区間賞の秋山君。区間2位に20秒差をつけ、愛知や東京を一気に1分近く離した優勝の立役者だが、インタビューのコメントがあまりに「残念な感じ」だったのは愛嬌ということで。
⑧インタビューへの受け答えが立派だったのは、2区区間賞の中学生新迫君(広島)。総じてNHKの各所のインタビューワーはいい仕事していた。

2013年1月8日火曜日

ランニング時の低体温

今年の箱根駅伝5区で2人の選手がリタイアという異常事態があった。
実際、選手の事前の体調はどうだったか。どの地点から「おかしく」なったのか、など医学的な総括が学連の医事よりなされることを期待したいが、気象条件が問題であったことは間違いない。
前代未聞の強風が関東を吹き荒れ、箱根山中では低温+強風が選手を苦しめた。リタイアの理由は「低体温症」+「脱水」ということになっている。「脱水」の方は、調子よくゴールした選手であっても血液を採取すれば脱水気味に決まっているので、必ずしもリタイアした選手に限らない。あまり意味があるとは思われない。問題は低体温症の方である。
ランニング中にそもそも低温になることがあるのか。
通常、調子良く走っている間は低体温にはならない。筋肉で糖や脂肪などのエネルギー源を「燃焼」させながら走るからで、筋温は上昇する。
しかし、ペースダウンして「内燃機関」の活動が低下したときや、いわゆる「ガス欠」で燃焼させるエネルギーが枯渇したときは、もはや筋温の上昇はできなくなり、外気温によっては低体温になり得る
今回の箱根駅伝でも登りの間は(頑張らないと登れないので)低体温とはならなかったが、登りでエネルギーを使い果たし、最高点を過ぎてもっとも強風低温にさらされたところで、さらに下りにかかったため登りのときほど筋活動が必要なくなり筋温が低下するのと共に、倒れている
筋温が低下し始めると、もはや脚は動かなくなり、体温が維持できなくなり、「低体温症」へまっしぐらである。山の遭難事故と同様の事態であり、トムラウシでの大量遭難などが思い出される。長袖シャツに手袋、程度のウェアリングでは到底体温の維持は難しく、外部からの保温なしでの自力での回復は不可能であろう。今回両校の監督がただちに棄権を決意したのは英断であったと思われる。
こうした事態を防ぐためにウェアリングに工夫の余地はなかっただろうか。エリートロードランナーには馴染みのないスタイルではあるが、ここはトレイルランナーの知恵を借用したい。上衣には保温アンダー+ソフトシェル(最初は腰巻きスタイルでもよい)、下はロングタイツまたは「ハーフタイツ+ハイソックス」、さらにネックウォーマーにビーニーがあれば、だいぶ違ったのではないか。
さらには途中可能となった給水において、魔法瓶を用意しておいて加温した熱い飲料を手渡すという技もありえた。
もしも再びこのような過酷な気象条件となることがあるかもしれない。その場合は決して危険な低体温症によるリタイア者を出さないよう、各大学が工夫を見せてくれるに違いない。