2018年2月11日日曜日

GID学会(3/25)でアスリートの性別について特別講演します

3年ほど前に埼玉医大産婦人科で主管を担当して以来、疎遠になっていたGID(性同一性障害)学会研究大会に呼んでいただいた。タイトルの「2020年東京五輪の選手の性別はいかに決定されるか」というのは事務局のほうが提案してきたそのまま。ちょっと「キャッチー」過ぎるかなとは思ったが、これが私に求められている内容そのものなのだと受け止め、採用することに。
スポーツと性別問題というのは、性分化異常症の「女子選手」の問題としては昔からある。これに最近はトランスジェンダー選手の権利をどう確保するかという新しい問題が付け加わってきている。
特に陸上競技のようなパワーがそのまま成績や記録に反映される競技において、どう扱うか。世界陸連やIOCの現在の考え方と、これから生じるであろう問題点について紹介する予定。

2018年2月10日土曜日

「女性アスリートのヘルスケアに関する管理指針」

日本産科婦人科学会から上記タイトルの書籍が昨年11月に発刊された。
内容は、女性アスリート診療の専門家ではないが日頃婦人科外来を担当する婦人科医向けに、「無月経」「摂食障害」「OC・LEP(ピル)」「ドーピング」などの項を設けて解説したもの。
これまでにも日本臨床スポーツ医学会の産婦人科部会で、同様の内容を指針として刊行してきたが、今回はスポーツドクター対象でなく一般の産婦人科医向けの書物が出たと言う点に、意味がある。
ただ、私も委員として作成に関与したが、学会の策定する指針という性質上、どうしても当たり障りのない、最大公約数的な、無難な内容にとどめざるをえない点が歯がゆかった。
骨密度がじわじわ低下している実業団ランナーにどんな薬を出し、どこまで練習や食事に関与するか、と言った実際の診療場面で問題となるノウハウはなかなか盛り込めない。これは自分で一冊書くしかないな、と・・・。