2015年6月21日日曜日

日本陸連医事委員会〜代表メンバーのコンディション把握の限界

今年も全医事委員が一堂に会する年に一度の総会が味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で行われた。
議題の一つは代表メンバーのコンディション把握について。
日本代表に選ばれながら故障や体調不良のために本番で力を発揮できない選手をゼロにすることは難しいが、帯同ドクターによる事前の状態把握が望ましく(なかなかこれがうまくいかない)、場合によっては補欠との差し替えなども考慮されなければならない(女子マラソンなどでは毎度問題になる)。
サッカーのように、日本代表に専任の監督とチームスタッフがいて、かつチームスポーツで代表メンバーほぼ固定、というのと陸上競技は異なる。選考競技会で勝てば、それまで無名だろうがなんだろうが日本代表に選ばれるというのが、ある意味陸上競技の公平でいいところなのだ。
だからこそ、特定の日本代表チームメンバーだけ医事委員会が気にかけておればいいというわけでないところが難しい。
直前まで怪我や不調情報を出してこなかったチームや個人にペナルティを与えるとか、何か選手選考の部分で考えないと、五輪や世界選手権など、選ばれること自体が名誉な重要競技会ほど、不調を押し隠して出場しようとする選手が後を絶たないような気もする。
それから、日本の競技会の過密日程についても。特に大学生競技者などはインカレで全力を出そうとすると、肝心の日本選手権〜世界選手権の頃には調子は下降線に入っていたり、その前に怪我をしてしまったりと言う事態が見受けられる。
「過密日程・過労」に対して医事委員会がエビデンスをもった提言ができるかどうか。道のりはまだまだ長い。

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