2013年8月24日土曜日

雁坂クリスタルトレイルラン〜肝心の稜線ランではへばっていた

スポーツエイドジャパン主催の新規トレイル大会。外勤当直明けの土曜日にいったん帰宅して車で道の駅みとみまで、十分間に合うスケジュール。1人ずつ時差スタートしていくという形式は、スタート直後に変にあせったり渋滞を生んだりせず、よろしい。気に入った。
遅めにスタートしたこともあって雁坂峠まではゆっくり目に登る。雁坂小屋を経由して、ここからがいよいよ今大会白眉のクリスタルトレイルとなる(途中の水晶山から命名)。
ところが、余裕を持って登ったつもりが案外脚に来ていて、快適にとばせない。
ようやく終盤のなだらかな林道で息を吹き返して追い抜きモードに入り、最後はそれなりにちょうどよく追い込めてゴール。
3時間02分41秒の総合17位(40歳代男子5位)と、まあまあであった。





2013年8月18日日曜日

「女性アスリートは何を乗り越えてきたのか」

先日出版された、読売新聞運動部編「女性アスリートは何を乗り越えてきたのか」(中公新書ラクレ)、お薦めである。
読売新聞の田上記者に私も「女性アスリートと無月経」のテーマで取材を受け、本書20-12ページにとりあげられている。
柔道の暴力問題なども後半に追加され、日本の女性アスリートが直面している医学的・社会的問題が俯瞰できる。
女性アスリート、その指導者、女性アスリートのサポートに携わる方々には特に一読をお勧めしたい。

2013年7月29日月曜日

奥武蔵ウルトラマラソン〜涼しさに助けられて初めての快走

7月に移った奥武蔵ウルトラ。涼しさに助けられて、大幅自己新達成。公式は6:55:18。年代別28位、男子53位、総合55位。
これまで、この77Kウルトラマラソンには後半何回となく泣かされてきたが、距離に負けていたというより暑さに負けていたことがわかった。
それほど今回は快適に走り切れた。5Kごと(押し忘れにより10K、15Kのものもあり)のラップは以下の通り。26:47(182)-51:03(183)-23:39(183)-28:10(180)-82:49(180)-27:51(181)-31:44(166)-51:10(181)-25:42(181)-25:24(183)-26:39(183)-15:20    *(   )内はピッチ数

2013年7月11日木曜日

AERA 7.15号でも安藤美姫選手記事にコメント

最新号のAERAにも安藤美姫選手の記事があって、そこに電話取材でコメントした。こんな記事になっている。



一般的に、出産でトレーニングを中断したり、練習量が減ることで競技力は低下する。妊娠・出産によって体重や体脂肪が増えたり、ホルモンの影響で靭帯が緩んだりするなど体の変化もあり、産後1年ほどは元の体に戻すのは難しいと言われる。
日本陸上競技連盟の医事委員などを務め、女性スポーツ医学に詳しい埼玉医科大学の難波聡医師は、
「一時的に競技力が低下しますが、1年ほどで影響はなくなります。ただ授乳期間中は緊満した乳房を抱え、敏捷性やスピード、ジャンプの高さを競うのは不利で、本格的に競技復帰をするのは難しい面もあります」
ただ、故障さえなければぎりぎり間に合う可能性もあるという。逆にブランクが好影響を与えることもある。慢性疲労やケガからの回復が見込めるからだ。
 怖いのはケガだ。難波医師によると、授乳中は骨密度が低下しやすい上に、出産後に体重を減らそうと食事制限することでカルシウムなどの栄養素が不足し、疲労骨折などを起こしやすい。早くアスリートの体を取り戻そうと、筋力が戻らないうちに無理なトレーニングをすることも多く、ケガをしやすくなるという。
 4月に出産した安藤も5月に練習を再開し、6月のアイスショーで産後2カ月とは信じがたいスリムな体型を披露。急激な減量や無理な練習による体への負担も心配される。


2013年7月6日土曜日

安藤美姫選手について追加〜今度は日テレ

昨日は外勤先に日テレ「シューイチ」の担当者がやってきたので、また安藤選手のことや出産後の競技スポーツ復帰について、話をした。放映は7月7日(日)8時前くらいからとのこと。

出産後の競技復帰の先例として、ラドクリフさん、赤羽さん、小崎さんなどがとりあげられるが、今回の安藤選手とは大きく異なる点が一つある。前者が、出産後にも数年単位で競技生活を息長く続けることを前提に復帰しているのに対して、安藤選手は10ヶ月後に迫った特定の試合(ソチ五輪)だけをターゲットにして、五輪で引退することを前提にしている点だ。ひょっとするとバレーボールの大友選手なども安藤選手型だったのかもしれない。
だからこそ安藤選手は産後の練習再開を急ぐわけだし、悲壮感を湛えつつ勝負試合に類い希なる集中力で臨むという安藤選手のスタイル(美学?)にも合致しているように思われる。
婦人科スポーツドクターである私としてはかねがね、結婚後・出産後に競技生活のピークを迎えるような「ホンモノの成熟した女性アスリート」が日本に増えて欲しいと願っている。だから、できれば安藤選手にも(せっかく産後に復帰するのだから)ソチ五輪で燃え尽きるような競技生活の終わり方ではなく、4年後くらいまでを視野にいれた息の長い活躍をしてほしいと思う。そうしてこそ「(無理しないと)母親業と競技生活は両立できない」というメッセージではなく、「出産後も競技を続けられるんだよ」というメッセージを後輩の女性アスリートたちへ贈ることができるのではないか。
そして、五輪への挑戦がうまくいったにせよ不幸にして失敗に終わったにせよ、妊娠中のトレーニング内容や産褥の復帰プログラムなどをぜひ(後日)公開してほしいものである。これは今後、出産後の競技再開を目指す女性アスリートにとって大いに参考となるはずだから。
というわけで、五輪への挑戦が終了した後の安藤選手の生き方にも注目したいと思う。

2013年7月2日火曜日

TBS取材〜女性アスリートの妊娠・出産とその後の競技復帰について


昨日の安藤選手の出産公表を受けて、さっそくTBSが夕方コメントを求めてやってきた。テレビカメラ付きなので、あわてて髭を剃り直して産婦人科外来でインタビューを受けた。もちろん安藤選手の妊娠経過や五輪までのトレーニング計画については知る立場にないので、一般論だけ。
 以前に比べて、多くの種目で女性アスリートに注目が集まるようになり、アスリート自身も長く競技生活を続けることに意義を見いだしやすくなっている。だから結婚や出産を経ても競技を継続したり復帰したりする女性アスリートが増えてきているのだろう。陸上やマラソンのような個人競技だけでなく、サッカーやバレーボールでも話題になった。
出産をしたからといって競技力が激変するわけではない。もちろん1〜2年のブランクがあるわけだから、一時的には競技力は低下するし、出産後1年くらいはなかなか元のアスリートの体に戻すのは難しいものだ。これは体重、体脂肪などの体組成の面もあるし。単にトレーニング時間を十分捻出できない事情が大きいだろう。また、授乳を継続すれば、緊満した乳房をかかえて敏捷性やスピード、ジャンプの高さを競うのは不利であるし、1〜2時間おきに授乳・搾乳をしなければならないと練習への集中力も損なわれる。また授乳中は骨密度も低下しやすいので、疲労骨折なども起こしやすい。出産後の早期マラソン復帰を企てたラドクリフ選手も、恥骨の疲労骨折で苦労した。だから、なかなか授乳をしながら本格的競技スポーツへの復帰というのは難しい。
また、妊娠中にどれくらいトレーニングを継続できたかも産褥の復帰に影響してくる。当然妊娠後期までトレーニングができているほど、競技力回復が早い。ただトレーニングは休止せざるをえなかったとしても、妊娠中というのは病気療養をしているのと違って、増加した体重による自重負荷や心拍出量の増加によりある種の負荷状態であるので、切迫早産で長期臥床を強いられたのでもない限り、スムーズな回復は見込める。
したがって、もし体型をすばやく競技仕様に戻せて、また犠牲を払って授乳をある程度のところで中止するならば、早期の競技復帰を果たすことはできるかもしれない。1年間のブランクといっても、それが連戦による慢性疲労からの回復、故障の治癒、新たなモチベーションにつながるならば、逆に妊娠前よりも強くなることもありうる。特にブランクによる加齢が不利となりにくい(30代で競技力のピークを迎えるような)持久系種目や技術がモノを言う種目(マラソン、ゴルフなど)にあてはまるだろう。フィギュアスケートでは前例がなく難しい競技だとは思うが、安藤選手はまだ25歳と若いし、元々の能力は素晴らしいので、どこかでやれるか注目だ。
ただし、乳幼児をかかえての競技復帰には、家族やスタッフによるサポートが絶対に必要。合宿や遠征で子供から離れる時間が長くなると、自分の競技ばかり追求していいのかと自問することにもなるだろう。育児そのものに加えてメンタルのサポートも必要になる。
こんなことをとりとめもなく喋った。

7月3日の「ひるおび」の中で、12時40分過ぎのどこかで放映されるとのことだ。

2013年6月10日月曜日

武甲山トレイルラン〜前半温存作戦でもやっぱりへばった

昨年に続き2回目の出場の武甲山トレイルラン27km。①序盤の涼しいがテクニカルなハイキングコース、②武甲山への急登、③武甲山〜小持山〜大持山の稜線アップダウン、④大持山からの激下り、⑤7kmもの長いアスファルト、の5つのパートからなる、27kmとはいえハードなコースだ。
スタート・ゴール地点の羊山公園には、車で65分で到着。ドリンク500mlをウエストホルダーに入れて準備完了。3週間前の医局旅行箱根トレイルで捻挫した左足首と持病の左アキレス腱の痛みがあったため、ウォーミングアップなしでゆっくりレースに入った。そのため序盤渋滞に巻き込まれたり、遅いペースに少々いらいらしたりした反面、脚は温存できた。
武甲山への林道は得意のパート。走りさえすれば歩いている大勢を抜くことができる。登山道に入ってからもおおむね好調だったが、さすがに標高600mから1300mへの急登はどう登ってもきつい。だいぶ余力を使い果たした。
武甲山からの下りは左足首を大事にしながらそっと着地せざるをえなかったため、ゆっくり。再捻挫しては元も子もない。
武甲山以降の大持、小持の細かなアップダウンも少しずつ追い抜きモードでカバーでき、大持山からの激下りはむしろ貯めていた鬱憤を晴らすかのように駆け下りられた。ここでけっこう順位もリカバー。
18キロ過ぎの林道に出てからも、快調にピッチを刻み、4分半/kmで下り続ける。昨年8分もの長居を要したエイドも2杯のドリンクのみでパス。ところがここから徐々に厳しさを増す暑さにやられる。横瀬駅が近づくとともに、ペースが維持できないと悟り、駅のエイドで一休み。ラスト2Kは、奥武蔵ウルトラマラソンなどでバテたときと同様の惨状で、ようやくゴールにたどり着いた。昨年より9分悪いタイムだった。
順位は男子40歳代の部で24位(出走188人中)、男子総合54位(出走513人中)、男女総合55位。常に出走者中、1/10以内を目指しているが、今回は達成できず。
しばらくトレイルのイベントが続くので、脚を慣らしていきたい。

2013年5月23日木曜日

吉田香織選手のドーピング違反処分について

陸上競技関係者には衝撃的なニュースが飛び込んできた。


女子マラソンの吉田が薬物違反=資格停止1年の処分

 日本アンチ・ドーピング機構は23日、昨年12月のホノルル・マラソンで女子4位の吉田香織(31)がドーピング(禁止薬物使用)検査で陽性反応を示し、今年1月18日から1年間の資格停止処分を科したと発表した。レース後の検査で持久力向上の効果があるエリスロポエチン(EPO)が検出された。同マラソンの結果は取り消される。
 吉田は2006年の北海道マラソンで優勝経験を持つ実力者。同機構によると、同選手は昨年11月に貧血治療のため、医師から告知を受けないままEPOを投与された。医師にはドーピング検査を受ける可能性を事前に伝えず、治療に際して禁止薬物の有無を確認していなかったという。同機構は、吉田が競技者としての注意を怠ったと結論づけた。 (時事ドットコム)








EPOは持久系スポーツにおける競技力を直接的に向上させるもっとも有名かつ頻用・濫用されてきた薬物である。自転車ロード競技、長距離走の分野では、ドーピングコントロールの最大のターゲットとなっている。これまで日本の選手で検出されたという報道はなかったはず。それがついに・・・。

JADAのホームページで、今回の規律パネル決定報告が公開されている。それによれば、やはり医師が本人が国際的競技者であることを認識しないままEPOの投与がなされたようだ。しかしどうも腑に落ちない。
日常の貧血診療でEPOが投与されることは稀だ。EPOはただの貧血では使われない。適応症としては「腎性貧血」である。腎疾患が背景にある貧血との診断があって初めて投与される。そのような状態なら、本来高強度の運動は奨められないはず。
吉田選手は平成24年10月21日の第1回千葉アクアラインマラソンで、25℃近い高温の中、2時間32分11秒の好タイムで優勝している。優勝インタビューでは「この調子を横浜国際女子マラソンにつなげて世界選手権代表を狙いたい」と言っていた。
ところが、4週間後、11月18日の横浜国際女子マラソンでは、2時間37分10秒の14位と惨敗している。
問題のEPOは、横浜国際女子マラソンのわずか6日前、11月12日に投与された。今回のケースは、勝負のレースの前に調子が落ち、(おそらく軽度の)貧血が明らかとなって焦る吉田選手側が「レースが近いから早く貧血を治したい」という希望を出し、ドーピングに無知な医師が安易に応じた結果ではないかと思われる。吉田選手も「知らないうちに違反薬物を投与された」一方的な被害者というわけでは決してないのだろう。

なお、医師は「ドーピング検査を受けるような選手」だと知らなかったからEPOを投与してしまった、という記事になっているが、「ドーピング検査を受けるような選手」でなければ投与してもいいかのように読めるこの記事は少々危険である。例え中学生、高校生のランナーに対してでもEPOの投与は違反であるばかりか、多血症状から血栓症を起こす危険性を孕む。また一時的に持久力向上、成績向上が得られるので、レースのたびに薬物に依存する競技者を生むことになってしまう。
高校生にも国体でドーピング検査が課される時代、吉田選手のような国際レベル競技者でなくとも、アスリートであれば誰でもドーピングコントロールには敏感であらねばならない。

2013年4月30日火曜日

「ピルを飲み始めたら、月経が止まらない」

アスリートにピル(経口避妊薬:OC)を処方する場合は、普通(アスリート以外)の患者以上に、副作用は出ないか、体調の異変はないかに気をつかうことになる。これはアスリートが、自分の体の変化やコンディションにより敏感であるためだ。特に試合期ではそうである。
今回、初めてヤーズ®の内服を開始したアスリートから、以下のような質問がきた。

生理が始まった翌日からヤーズを服用し出しました。ところが、いつもなら5日ほどで終わる生理がまだ続いており、量は多くはないのですが、終わるかな?と思ったら、終わらず、1週間になります。これは薬を飲み始めたのと関係があるのでしょうか? 試合が近いので悩んでいます。

確かに、OCの飲み始めの際の月経が「なかなか止まらずだらだら長く続く」という症状は(アスリートに限らず)けっこうな頻度である。
OCの欠点というか特性の一つとして、飲み始めの1〜3周期は内服中の少量不正出血がおこりやすい、というものがある。ヤーズ®は特に含有エチニルエストラジオール量が少ないためか、この不正出血の頻度が高い印象がある。
今回相談された、飲み始めの際の過長月経も「内服開始当初におこりやすい出血」の1種と解釈できる。規則的な内服を続けているうちに数日で止血する場合も多いが、1シート目の内服中は断続的に続いてしまう可能性もある。
それでは困るからと言って、慌ててOCの服用をやめても今の出血がすぱっと止まるというものでもなく、またかえって一時的に出血が増えたり、周期が予測不可能になったりしますので、その他の副作用がないのであれば、継続をおすすめすることになる。
その際、なるべく一日の中で「同じ時間」に内服してもらうよう、再度アスリートに確認をした方がよい。
規則的に服用継続しさえすれば現状の出血以上に量が増えてくることはまずないので、試合があったとしてもさほどコンディションを落とすことなく出場できる。
2シート目、3シート目に入ってもなお不正出血が続く場合には、OCの種類の変更(ヤーズ®以外のもの)を考慮するか、メリット・デメリットを勘案のうえOC服用そのものを見直すことになる。

また、OCを初めて試す場合は、最重要の試合を1ヶ月以内に控えた時期でなく、2〜3ヶ月以上の余裕を持っておいたほうが、こうしたトラブルに深刻に悩まなくてすむだろう。

2013年3月4日月曜日

京都マラソン〜2年連続撃沈


2回目の京都マラソン。後半のコースの厳しさを前回身をもって体験したので、今回は、シューズをいつものターサーでなくゲルフェザーを採用し、5km21分ペースで前半を自重し、後半ペースアップして2時間55分、という目論見を立てた。しかし、実際は・・・。
自重したつもりが、宝ヶ池の激坂で脚の余裕が全くなくなり、あえなく目標は潰えた。3時間05分07秒の大凡走。がっくり。