2012年4月26日木曜日

読売新聞にインタビュー記事が載った

しばらく前になるが、4月3日の読売新聞朝刊に記事が載った。「WOMEN 第1部 心と体」と題した特集記事で、ロンドン五輪を控えて女子アスリートの心と体の問題を洗い直す趣旨である。その第1回が「猛練習と減量 体に異変」というタイトルがついて、前半が体操競技、後半が陸上長距離の女子選手をとりあげている。その後半に僕が登場するので紹介しておく。

過酷な体重制限と月経不順は、体操に限った問題ではない。陸上の長距離種目では以前から指摘されてきた。日本陸連の医事委員でもある埼玉医大病院産婦人科の難波聡医師はある年の世界ジュニア選手権に同行して驚いた。20歳未満の選手が参加する大会で、中長距離の女子代表8人のうち7人が、長期的に月経がない無月経の状態だった。
難波医師によると、無月経で問題なのは、ホルモンのバランスが崩れて骨密度が低い状態になることだ。そのため、骨盤などの疲労骨折を起こしやすくなる。難波医師が相談を受けた事例では、こういう選手もいた。
中学の時に初潮があっただけで、その後はなし。高校は駅伝の強豪校に入り、その間も月経はなかった。実業団に入って2年たったが、状態は変わらない。実業団では練習量が増えて、疲労骨折などの故障が増えてきた。レースにも出られず、高校時代の自己ベストを更新できずにいる−−。
難波医師が特に懸念するのは、このように成人になっても月経の周期が確立しなかった選手だ。ずっと月経がなかった選手が、果たして引退後に出産できるのか。「卵巣機能が成熟した人であれば、一時的に月経が止まっても、現役を引退すれば回復すると思う。だが、最近はそういう選手ばかりとも言えない。性成熟期を経験していない選手が、引退して月経リズムが戻ってくるのかという点が、まだよく分かっていない」
難波医師は現在、陸連強化委員会の協力を得て、元実業団選手を対象にしたアンケート調査を実施し、集計作業をすすめている。
(以上4月3日読売新聞朝刊より)

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