2012年12月8日土曜日

女性スポーツ医学研究会〜発育曲線に注目せよ

今日は年に一度の女性スポーツ医学研究会。今年から幹事に推挙していただいたこともあり、2年振りに参加してきた。
一番興味深かったのは松田 貴雄先生(西別府病院スポーツ医学センター長)の「運動性無月経の治療」と題した教育講演。以前よりうかがっていた「女性の骨量獲得には、身長スパートから1〜2年間がもっとも重要な時期」「この時期に体重がきちんと増えることで骨量が獲得される」というお話をまとまったかたちで聴くことができた。
成長曲線上にきっちり身長・体重をプロットしていくと、若年性骨粗鬆症に陥る無月経運動選手が「思春期の骨量の増えるべき時期に体重も骨量も増やせていない」状況が浮かび上がる。
したがって「20歳頃になって、無月経も長期化して骨粗鬆症も完成してしまってからではもはや遅い、思春期の栄養摂取、適切な体重増加が重要だ」というメッセージはインパクトをもって伝わった。
ただ、では競技特性上、思春期の体重増加が制限されてしまうような競技(長距離走、新体操など)ではどのように折り合いをつけていけばいいのか。
また「無月経と骨粗鬆症ができあがってしまった」選手にはどう対応すればいいのか。このあたりはまだ今後の課題である。
ホルモン補充療法と、摂取カロリー増量と、カルシウムの摂取促進で、果たしてどこまで骨量は回復するのか。米国スポーツ医学会などはホルモン補充療法の効果に否定的な見方をしているようだが、必ずしもそうではあるまい。まだ研究しなければならないことは多く残っている。
とりあえずは、ジュニアスポーツ選手には小学校時代だけでなく、その後も身長・体重を成長曲線上にプロットしていくことを勧めていきたい。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お仕事も大変でしょうに、走り続けるのはすごいですね。努力をする人の鏡ですね。

スポーツ解剖学、医学は大事ですよね。注目していきたいです。

著者、川上泰雄 、武田淳也による スポーツ解剖学シリーズ『ゴルフ解剖学』が発売されましたね。すごそうです。


ところで、少しおもしろい選手が医学部ゴルフ界に出てきたので、紹介します。その名は辻田晴也さんです。彼は和歌山県立医科大学医学部医学科の1年です。中学時代には大阪府ジュニアゴルフ選手権2位、関西中学校ゴルフ選手権4位、全国中学校ゴルフ選手権で24位に入った男です。高校は天王寺高校に進学し、全国高等学校ゴルフ選手権に3回出場し、関西高等学校ゴルフ選手権では最高2位になるなどの活躍をしてきた。大学は和歌山県立医科大学に進学し、六大学交流戦では3アンダー69で回り、2位に13差をつけ圧勝し、西日本医科学生総合体育大会では2打差で敗れ2位、関西学生秋季新人戦では2位になった。将来は医者兼プロゴルファーになるかもしれませんね。 最近の若い選手は、強豪私立高校、大学に進学してからプロになる選手が多いだけに、この選手は異色ですね。楽しみです。

スポーツと医学の二足のわらじがあるので、楽しみですね。彼は将来スポーツ医学の分野で活躍するのでは?

研究者の道に進むかとも言われ、話題になったドラフト1位指名された慶応の福谷さんに負けずに、がんばってほしいですね。