2018年6月7日木曜日

無月経アスリートに対するホルモン補充療法のやめどきは?

女性アスリート診療を行っているドクターからの質問にも答えたい。

ホルモン(エストロゲン)補充療法のスパンは、大学生であれば学生の間、例えば2~3年継続のつもりでいますが、自然に月経が再開するかどうか、試験的に休薬期間(無治療期間)を設けることは必要でしょうか?
また、体重増加や故障による長期離脱などで自然月経が回復しそうな場合にはどうすればよいでしょうか?

終了できるのは、P内服なしで出血がたびたびあるようになり、内因性のエストラジオールの上昇が確認できた場合、と説明しています。順調に競技に打ち込んでいる間は、実際なかなか中止できる選手は少ないです。
故障などで体重が増えている間、もし内因性エストラジオールが上昇していれば、中止してみます。また(学生ランナーではレース続きでなかなかオフ期間はありませんが)、実業団マラソンランナーなどで、2,3ヶ月オフ(休養期間)を設けるような場合は、自然月経回復を期待して中止してもよいと説明します。
ホルモン補充を続けている限り、ピル投与の場合と同じように下垂体ホルモン(LH、FSH)が抑制されて、容易には排卵に至らないと思われますので、ときどき中止して排卵・自然月経に「チャレンジ」してみるのはありだと思います。

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