学内で月に1回、第1火曜日に行っている臨床遺伝カンファレンス。今回のテーマはPrader-Willi症候群だった。参加者は産婦人科、小児科、BSL学生(5年生)、その他病理部門の方々など合わせて25名ほどだった。
Prader-Willi症候群の原因は、染色体15q11-13の欠失が70%、母性片親性ダイソミーによるもの25%といわれる。
小児科のO教授にこの症候群の臨床上の特徴について概説してもらった後、病理部で染色体検査などを担当しているSさんが、FISH検査に用いた残りの細胞より抽出したDNAに対するメチレーション・テストがうまくいったという報告をしてくれた。
バイサルファイト処理、メチレーションの有無による塩基置換の有無、それによるPCR産物サイズの違いを用いて、父親由来の遺伝子(ここでは15q11-13に存在するSNRPRN)発現があるかどうかを調べるわけだ。ここの原理を最初に理解するのは、相当時間がかかったことを思い出す。今日の出席者の中でも、半分近くはよく理解できなかったのではないだろうか。
この病院の病理部でメチレーション・テストができるとは私も知らなかった。今後Prader-Willi症候群に限らず、様々な産婦人科臨床におけるインプリンティング異常に伴う病態について調べていけるという発展性がある。
成育医療センターで秦先生らが流産検体などを用いて精力的に研究をされているが、廃棄受精卵、胞状奇胎、癌、胎盤などいろいろ応用を考えたいところである。
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