2013年2月9日土曜日

川内選手のトレーニング用シューズ論も独特

アシックス・ターサー30周年記念ページに高橋尚子さんのインタビューが掲載されていて、これを見ていると、「(トップランナーにとっては)ターサーは安全でクッションがあるので、ロングジョグや疲労回復のジョグに最適」という趣旨のことを強調している。じっさい多くの実業団選手が、朝練やジョグ、アップ、移動用にターサー、あるいは他メーカーの同レベルのレーシングシューズを用いている。
この、ロングジョグなどのもっとも「普段使いの」トレーニング用シューズに対する考え方も、川内優輝選手は実業団選手の大多数とは全く違う。川内選手が頻用するトレーニングシューズは、アシックスのGT-2000シリーズである。しかも、ご存知、スーツを着ての通勤ランにも、職場でも使用するから、オールブラックのGT-2000である。彼にとっては極細の白ラインや模様も邪魔らしい。ブルガリア遠征のときも、レース以外の練習は全て黒GTで走っていたし、先日別大のレース後に会った時も足元はやはり黒GTだった。
川内選手曰く、「実業団選手たちは、薄いシューズばかり履いて、それで怪我しているのだから、何の意味もない。GTが自分には一番合っている。これにしてから故障しなくなった。通勤ランもロングジョグもビルドアップもGTでいける。キロ3分半だって可能。」
ちなみに私もこの意見に完全に同感である。ターサーはキロ3分台で走行するのに最適な「レース用」シューズ。ジョグや疲労回復にはもっと「ごつい」シューズを履けばよい。

昨年のブルガリア遠征でのドーピング検査控え室で、川内選手は、たまたま一緒になったアメリカ女子選手(ネルソンだったと思う)と「日本の選手はなんで練習から薄いシューズを履いているのか理解できない!」と意気投合していたのは面白いエピソードだ。川内選手の考え方は、日本の実業団基準からは全くはずれているが、どうやら国際標準のようではある。ちなみに件のネルソン選手は、世界ハーフのレースでターサーを履いていた。
川内選手以外にも、藤原 新選手も最近はGT-2000シリーズを履いているようだ。実業団と一線を画した彼ら2人の競技スタイルは、トレーニング用シューズの選び方にも及んでいるといえる。

4 件のコメント:

Nobby Hashizume さんのコメント...

今までの傾向と違うから『正しい』とするのは非常に危険だと思います。 もちろん、みんながやっているから『正しい』とするのも同様に危険ですが・・・。

ネルソン選手が誰なのか全くわかりませんが、少なくとも『外国』での傾向はむしろ逆で、ハーバード大学のリーベルマン博士が裸足で走る論文を発表して以来、より薄手のシューズで走る、いわゆる『ミニマリスト』が大流行しています。 アメリカでも確かに厚手のクツで走るエリートは多くいますが、それは恐らくそのダイナミックな走法によるもので、逆にそのことで後半失速してしまうパターンも多いようです。 

シューズにしても、ただ『ごつければ』良いというのではなく、むしろこの場合アシックスのGTだから良いのではないでしょうか? アメリカではただごついだけのシューズが沢山あります。 そのようなシューズを履いて走れば、故アーサー・リディアードをして『アメリカのシューズ病』と呼ばせた足底筋炎になってしまうケースが非常に多いです。 それはごついだけで機能性がなく、あたかもスキーブーツを履いて走ろうとトライするようなもので、足の筋を痛めてしまいます。 

プロとして一般のパブリックの目に停まるコメントを残す立場であれば、ひとりや二人の例に飛びついたり、ただ『ごつい』から良いと言ったようなコメントは避けるべきだと思います。

アメリカ在住
リディアード・ファウンデーション顧問;橋爪伸也

難波 聡 さんのコメント...

橋爪さん、コメントありがとうございます。
ミニマリスト系シューズが外国のエリートランナーや日本の実業団選手に今後どのように取り入れられていくか、注目されるところですね。
ただそうした薄いシューズは、ソーティやターサーのようなレースシューズとはもちろん異なる発想で登場したものです。
Jogでもレースシューズを履く実業団の常識にとらわれない川内君に共感はしますが、ごつい靴なら何でもいいと言っているわけではありませんので、念のため。

Nobby Hashizume さんのコメント...

生意気なコメントに誠意を持ってコメントしていただいてありがとうございます! ;o)

確かに一般的にミニマリストと思われるシューズ、ヴィブラムとかはレースシューズとは異なりますが(異ならない人もいますが・・・)、一般にアメリカではレースシューズをミニマリストシューズと捉えているパターンが多いです。 実は私自身ターサー命なんですが、一般のアメリカ人ランナーはターサーさえ『ミニマリスト』と呼んでいます。 私の場合、ミニマリスト(ほとんどターサーとソーティで走ってます)になって故障がほとんどなくなりました。 むしろターサーよりも厚くなると、足が地面から離れ過ぎている感じがして(本当に)走れません。 実はこう言うランナーに結構出会います。

数年前、アメリカの某名ランナー(オリンピックメダリスト)が、給料いらないからなんとかアシックスのシューズで走れる様にしてくれないか、と頼んで来たことがあります。 彼の場合もターサーとソーティを指しています。 

tomoko.i さんのコメント...

柴原先生への転送、有難うございました(^-^)