これまで、スポーツ医学関係の学会や研究会、あるいは陸上競技関係のシンポジウムや講習会で「婦人科」の話をしたことはあったが、昨日は初めて「産婦人科の」研究会で「スポーツの」話をした。
その名も埼玉県産婦人科医会「ホルモンと生殖医学研究会」。主幹事の石原先生からの要請(命令?)でスポーツ医学のことを演題に出したわけだが、他には、「不育症」や「凍結胚盤胞移植」などのアカデミックなタイトルが並ぶ中、「女子スポーツ選手・・・」はちょっと場違いだったろうか?主催側も多少そう思ったらしく(いえいえ否定しなくてもいいです、わかっています)、客の入りがもっとも少ないであろうトップバッターに割り当てられた。
「無月経の女子選手に一生懸命ホルモン補充療法をしても、必ずしも骨密度は上昇しないみたい」という少々悲観的なお話をしたのだが、一般の産婦人科の先生方にとっては、無月経の選手の比率が高いことも、骨粗鬆症の選手が多いことも、驚きだったようである。一番嬉しかった感想は「スポーツ婦人科っていう分野があるんだねえ」というものである。
なかなか科学的、統計的に意義のある話をするのが難しい領域ではあるが、みんなの興味をひくことだけは間違いなさそうである。
1 件のコメント:
はじめまして。
私はボート競技でロンドンオリンピックのメダルを目指して活動しております。
自分自身がプレイする中で感じていることなのですが、これだけ女性がスポーツ界に進出しているのだから、もっと女性アスリートの身体について研究が進んでもいい気がします。
婦人科で何か相談しても、「練習を休んで下さい」としかアドバイスをいただけないので、とても悲しく思います。
女子アスリートにありがちな骨粗しょう症も、貧血も、無月経も、すべて誤解と偏見と、無知から発生するもので、きちんとした知識と、実践があれば防げるものではないでしょうか?
日本のスポーツ指導者は圧倒的に男性が多く、また、チームドクターに婦人科医がいるケースは0だと思います。
ですので、性周期的な問題、課題、トラブルについてはほぼ100%が適切に対応できないということが起きているのだと思います。
こんなことを申し上げて大変恐縮ですが、先生のご研究は今まさに現場で求められているものだと思います。
女子で、アスリートだから起きるトラブルについて、どうぞ正確な情報を現場に落として頂ければ幸いです。
難波先生のこれからのご研究の発表を楽しみに、とても心待ちにしております。
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