2009年8月22日土曜日

性別疑惑 その3

元800mランナーとしてのコメントもしておく。
この選手は昨年までのベスト記録が2分03秒台で、今回の優勝記録が1分55秒台ということであるから、ちょっと考えられない伸び方だといわれている。
ちなみに僕の競技歴では中3から高1の1年間に2分05秒から2分0に、大学の最初の1年で1分59秒から1分56秒まで伸びたのが年間最大の伸び幅だ。この程度が普通だと思う。だから一気に8秒の伸びというのは、よほど体が発達したか、トレーニング環境が変わったか、ないしはその両方がないと考えられない。
この「記録の伸び」の話は、よく考えれば男性であるか女性であるかに関わらない話であるので、むしろ急激な伸びで疑うべきは「性別」ではなく「ドーピング」ということになる。
この選手の体型は確かに従来の800m女子アスリートの常識とは異なる体型であると思う。ラスト200mで全く崩れない力強いフォームからは、並外れた筋力と筋持久力を持っているようにも推察する。決して従来タイプの800ランナー(決勝の後ろ7人は全員そのような体型だったが)の延長線上にはない異次元のものだ。ウェイトトレーニングで鍛えこんだと仮定しても女性ランナーがあそこまで到達できるか・・・・確かに性別に疑問がもたれたこと自体には僕も納得する。

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