2008年11月9日日曜日

猛犬の飼い主にカーチェイスされた


夕方、河川敷の未舗装路を快調に走っていたら、橋の下をくぐったところで突然大型犬がいた。なんと飼い主は引き綱から手を離している。あっと思う間もなくこの黒い大型犬がまっすぐ僕を目掛けて突進してきた。
暴走車が突然現れてこっちへ向かってきてどうやっても避けられない!と判断したときの恐怖、とでも言えばいいだろうか。向きを変えて逃げるわけにもいかず、咄嗟に猛犬に対して背を向けるのが精一杯だった。
猛犬は僕の両脚に体当たり。ラグビーで小柄なバックスが見事にタックルされたときのように、完全に僕の体は宙を舞った。で、腰から着地。右の手のひらと肘でも着地したらしく、ずきずきと痛む。引き綱を離していた中高年の女性はしきりに謝ったが、こちらは噛まれなかったことにはホッとしたものの、強烈な恐怖体験と痛みで、許したり笑顔を見せたりするところではない。なるべく上品に「憤慨している」旨を伝えて、走り去ろうとした。
が、ふと「このまま済ませるわけにはいかない」という静かな怒りがふつふつと沸き起こり、現場に戻って「犯犬」と女性、および連れの男性ともう1匹の犬が乗ってきたと思われる車のナンバープレートを携帯カメラで撮影し、ついでに「犯犬」と飼い主たち、というタイトルの写真も撮影しておいた。それが掲載の写真である(黒いのが犯犬)。腕がじんじん痺れるので、あとあと骨ヒビでも見つかったら連絡をとらせていただくのに使える。
この、写真モデルに選出されたのが、連れの初老男性の気に障ったらしい。
なんだか後方で怒鳴っている気配はあったが、イヤホンとドリカムで耳が塞がっていることにして、ただちに踵を返してそのまま元のペース(キロ4分30秒くらいだったかな)で走り続けた。
と、予想通りこの男性、くたびれたワゴン車で堤防上未舗装路を追っかけてきた。
ちょうど一般路への分かれ道で追いついてきたので、僕はいったんそのまま堤防道路方向へ向かい、ワゴンが分岐をこちら側に来たのを確認してすぐ道をはずれて堤防から下りて工事中の一般路方向へ逃げてみた。
ワゴンはいったんまかれてくれたが、その先を右折してまたもや僕の方へ向かってくる。工事中を示すための鎖が道にかかっていたからそこで止まるかと思いきや、鎖が緩くて地面に垂れていたせいか、がちゃがちゃ結構な音をさせながら車で強引に突破してきた。
あーあ、猛犬が正面から襲ってくる恐怖を味わわされたあとは、今度は後方からワゴン車が迫ってくるスリルまで体験する羽目になるとは。そもそも疚しいことがなければ、しゃかりきになって青筋たてて追ってくる必要もなかろう。あー、なるほど、やっぱり自分の猛犬が人を襲ったことをまずいと思ってるんだ、とこっちは多少の余裕がある。
浄水場の横手の人気の少ない道で追いつかれたので、車から降りてきた男性をよく見るとやっぱりかんかんに怒っている。「勝手に写真をとるのは、なんとか違反だ」とか叫んでいるが、怒りすぎて呂律が回っていない。でも車から降りてくれたらこっちのもので、また走り出せば、相手は走れないからまた車で追ってくる。
ワゴンが通れるかどうかの細い農道に導いて、どうかなと思っていたら、もう見境なくなっているらしく、突っ込んできたので、ラッキーとばかりに車の到着を待ってUターンしてサヨナラした。バックするにも入り込みすぎているし、先まで行ったら見失ってくれるだろう。
敵もさすがにそのあたりであきらめたらしく、一応警戒しながら残りの距離を走ったが、再発見されることはなかった。
藤原智美著「暴走老人」という本を思い出したが、この男性もかなり血圧が上がって体に悪かったろう。事故なく帰ってくれたことを祈る。
ただ、今回はこれで済んだからよかったが、もちろん犬に噛まれて重傷を負った可能性もあれば、暴走老人に轢き殺されたかもしれないし、アメリカなら撃たれたかもしれない。
ま、せめてしばらくは事件個所を練習で通るのはやめておこう。今度は犬に人を噛むように仕込んでいるかもしれないからね。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

先生性質悪いですねw